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<ABEMA×NEXTヒーローズ>佐藤太地「のびのび、だいちの、のびのびオフトレ!」
昨年、9月にコロナ禍で開催にこぎつけた2020開幕戦「PGM Challenge II(千葉県・PGM総成ゴルフクラブ)」を制した。佐藤太地(さとうだいち)はシーズン統合の今年、賞金ランク2位で、再スタートを待つ期待の25歳。
21年最初の「i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘(福岡県・筑紫ヶ丘GC)」の開催まで約1カ月に迫り、ちょっぴり焦っている。
吉田直樹コーチの師事で目下、改造中というスイングは、「完成までまだ3割ほど。けっこう大きな変更なので、すぐには上手くいかない。開幕まで間に合うかどうか…。もどかしい感じです」。
東北福祉大の在学中に、左手首を痛めて手術に踏み切ったのも「小手先のスイングが、影響した」という。「二度とケガがないように。いま主流の”体を使って打つスイング”に変えているところです」と、調整が急がれる。
併せて体の弱点克服は、大学後輩の坂本一馬(さかもとかずま)のお母さんで、元体操選手の坂本さおり・トレーナーに任せる。
佐藤が再び手首を痛めて再手術を迷っていた時、上半身の柔軟性を高めるメニューを教わり、救われた恩人。
その評判を聞きつけて、大学同期が佐藤が住む岡山県に集合。坂本トレーナーの指導のもと、ツアー1勝の比嘉一貴(ひがかずき)や植竹勇太(うえたけゆうた)らも加わりトレーニング合宿を行った。
その初日のこと。
朝8時の開始前に、みんなで近くのコンビニに寄った。
坂本トレーナーの指導のきつさを承知していた佐藤が「食事は軽めにしといたほうがいいよ。痛い目見るから」と、忠告しておいたのに、「全員、1本目のダッシュで地獄を見ました」。
特に洗礼を浴びたのはプロ4年目の同期、蛯名大和(えびなやまと)だ。
酸欠を起こして顔面蒼白。
しばらく立ち上がることもできず、慌てて近くのドラッグストアで酸素吸入器を調達。
ヒーハーしているのが左の写真。
さっそくバテバテの親友を介抱してやりながら、「だから最初に言ったのに」と、なじった佐藤もまた人のことは言えなかった。
重いタイヤを引きずり坂道を駆ける100m走で「実は僕も思い切り吐きまして…。慣れていたはずなのに」と、苦笑。
のびのび、だいちもノビていた。
吐くほどキツい鍛錬にも耐えて迎えた合宿最終日。
いま一番の出世頭の比嘉と、「早くみんな一緒の舞台でプレーしよう」と、約束して解散した。
仲間の中で、シード選手はまだ比嘉だけ。
「まずは一貴(かずき)に追いつかないと。そのためにも今年はABEMAで2勝、3勝。賞金王を獲り、来年は一貴とレギュラーツアーで戦いたい!」。
だいちはのびのび夢を見る。
<佐藤太地>
1995年10月2日生まれの25歳。北海道札幌市出身。お父さんの影響で、10歳からクラブを握り、数々のジュニア大会で優勝。東北福祉大に進み、2013年と2015年の北海道アマ制覇。ナショナルチームで活躍した。
18年にプロ入り。2年目の20ー21年はAbemaTVツアーを主戦場とし、昨年9月にコロナ禍で行われた2020初戦「PGM Challenge II」で初優勝。現在、同ツアーの賞金ランキングで2位につける。
画数の関係で「太地」と書いて、「だいち」と読む。故郷にちなんでのびのびと、大きな男になれと命名された。