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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2019
2年連続で敗れたノリスは涙ながらに「来年こそ」
「この1年はいろいろあったので、文句の言えないシーズン。ベストは尽くした。悔いはない」と、気丈に言ったが頬には大粒の涙がこぼれた。
7月に最愛の父を亡くし、弟と今年最後のタッグで臨んだ今季のラストゲームこそ弔い戦だった。
冬晴れが戻ったこの日は、唯一半そで姿に気合が見えたが、ついに首位を捕らえることはなかった。
すでに豪のケネディが、通算8アンダーでホールアウトしており通算6アンダーで迎えた最後の18番のティショットが左手前のラフに落ちた時点で、ノリスの悲願の初戴冠は消えた。
「シュウゴはナイスガイだし、ファンタスティックなプレーヤー。なるべくして2年連続の賞金王になった。素直に彼を讃えたい」。
最後の1戦を、最多の3勝で締めくくった石川遼にも駆け寄り「おめでとう!」と、祝福。
人前では笑顔を絶やさずクラブハウスに上がってきたが、会見場のつい立の裏で、報道陣の問いかけに応えていた途中で、ふいに嗚咽。
「父のことを考えると、感情的になってしまう」と、声が震えた。
父親のパトリックさんが、いつも言っていたのは「精一杯頑張るのと同時に、どんな時でもゴルフを楽しみなさい」ということ。
その遺言どおりに、キャディで弟のカイルさんと力を合わせて、ついに勝てずとも、今年最後の一戦も最後まで、白熱したV争いで盛り上げた。
「父がいないのはとても辛いが、亡くした後も、自分を駆り立てファイトし続けられたこと。誇りに思っていてくれていると思う」と、絞り出した。
「もちろん、賞金王になれればもっと嬉しかったが、また来年もある。この悔しさを乗り越え、来年はもっと強くなって戻る。さらに集中し、大きな目標に向かって、来年こそ賞金王を獲りに行く」と力強く涙を拭いた。
故郷南アでパパの帰りを待つ長男のジェイデン君は、1歳の可愛い盛り。
「精神的にも身体的にも疲弊してるし、とにかく早く帰りたい」。
今年も賞金王は、取り逃がしたが平均パットで1.7324ストロークを記録して、年間1位に。
翌9日月曜日は、都内で行われるJGTOの年間表彰式で受賞を受けたら即、いとしい我が家に飛んで帰る。