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アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフ 2021
度重なるガッツパー。星野陸也がバースデーV王手
186センチの長身が、思わず「くの字」に折れた。
強風が舞った大会3日目。
星野陸也は「いやぁ〜、耐えた」。
いや……、耐えたなんてもんじゃない。
「相当耐えた」。
言い換えてもまだ足りない。
2アンダーで折り返した後半は本当にピンチの連続。
右林に入れた10番では、3メートルの下りスライスを拾った。
ワンオン狙いの13番パー4は、2打目のアプローチが木に当たってバンカー目玉。4メートルも残したが「劇的パー」でこらえた。
第1打で3Wを持った16番は「左チーピンで、OBギリギリ」。しかも、木の根っこの”二重苦”は、ロブショットで上手く出したが、このパーパットは7メートルもあった。
「今日の風なら苦しい感じが来るだろう、と覚悟していた」。
それにしたって苦しすぎたが「焦らずよく耐えた」と、自画自賛。
17番でもまた、これでもかと4メートルをしのぐと、「最後はそのご褒美が来た」と、後半10番からずっとパーでしのいで迎えた18番パー5で、2オン2パットのバーディ締め。
2差の単独首位で、有言実行Vへの拍車をかける。
10日の月曜日に次週「全米プロ」の招待状が届いたばかり。
帰国後2週間の隔離を見越して、アメリカに居残り、当地で「全米オープン」の予選会を受ける、と急の旅支度で即決した。
「しばらく日本に出られないので、ここでしっかり稼いでいきたい」と、新25歳の誓い。
12日に誕生日を迎えた週の最後に自ら贈りたいのは、ツアー通算5勝目に加えて、自身初の全英切符。
苦難の3日目を改めて振り返り、「ティショット、もう少し修正しないと」と、苦笑。
「明日も60台が出せるように。優勝を狙っていきたい」。
過去、最終日を最終組で出た際の勝率は100%。
好データを支えに難コースで日曜日の逃げ切りVを誓った。