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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2019
星野陸也は破れかぶれの首位を死守
最終18番は、気合が入った。難しいパー3の第1打は、左のカラーにかじりついたが、ピンまで8メートルは、「めちゃめちゃスライスするライン」。
難しいバーディパットは、あられもない方向へ行った。
「全然、すごいところへ行ってしまって、改めて、すごい傾斜だ、と」。
上りフックの2メートルを残した。
「最後、パー取ったら14と15番のボギーはチャラかな。集中して打った」。
右カップの淵からギリギリ、カップに転がり落ちた。
3パットの14番から連続ボギーも吹き飛ぶほど、値千金のパーセーブ。
辛くも単独首位を守った。
冷たい北風が吹いたこの日は、場内・外ですったもんだ。
異変に気付いたのは、6番パー5で2メートル半のイーグルを奪って2アンダーで、折り返してすぐの10番。
ティショットを打つ直前に、ズボンのちょうど股上の部分に見つけたぱっくり裂け目。
「ズボンが破けてる…!」。
ごまかそうと、内股でティアップ。
「なんとか行けるかなと思ったけど、右にペラペラ行った」と、ミスショットを誘発。
セカンド地点で、小沼泰成キャディに頼んでレインウェア
を出してもらって、上から履いたら寒さも防げて、一石二鳥。
「あったかくてよかった」と、無邪気なリッキー。
思い出せば朝、部屋でパジャマから着替えた際に「乱暴でした。ズボンをはくときに、股の部分をガってやっちゃった」とこの日の猛省は、それだけではなかった。
朝の練習場では、打席の前に設置された看板をアイアンで破損。スタッフに平謝りした。
度重なるハプニングを乗り越えて、首位を死守した。
9つの部門別を合わせた総合力を示す「メルセデス・ベンツトータルポイントランキング賞」での逆転を目指している。
「一つでもリードはあった方がいいと思うので、明日からもそこは大事に」。
週末の着替えも慎重に。