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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2019
今季未勝利。ゲンちゃんが、ラストチャンスをつかめるか
今年のラストゲームで、今季の1勝を求めて最終日もまい進する。
本名・源蔵。登録名は隆光(りゅうこう)。26歳の時松が、極寒の3日目に「66」を出した。韓国の黄重坤(ハンジュンゴン)と並んで、大混戦をあたま2つで共に抜け出た。
この日は厳しい寒さに、「体感では、10ヤードは飛んでいない感じです」と難条件に、飛距離が不足する分「いつも
以上にキャディさんと相談」。
落としどころ、付けどころのマネジメントに徹して「パッティングがよかった」と、1番でさっそく5メートルが決まった。3番では8メートルのバーディトライもねじ込み、5番ではチップイン。6番パー5はピンそばに寄せて連続バーディ。前半4つのバーディで、V争いに加わった。
わずか30枠に限られた、シーズン最終戦。「勝てないで、ここまで来られたのは褒めてあげたいですけど、今年はよいところまで行っても勝てなかった」。
16年の初優勝から毎年、勝ち星を重ねて通算3勝は、同世代の中でも一歩抜きん出ているとは思うが今週、4年連続4度目の出場を果たした今年は、未勝利のままで来た(賞金ランクは15位)。
「周りの先輩プロには、毎年優勝することが、凄いと仰ってもらってきましたけど今年は本当に、優勝することの難しさを知りました」と、今季は3R終了時に2位に1打差の首位に立ちながら、最終ラウンドで73を叩いて脱落した7月の日本プロ。
また、プレーオフに敗れた9月のANAオープンなどをなぞらえ「勇太さんは”勝たなければ2位でも意味がない”とよく言われるが、僕は2位でも価値があると思ってしまう。だから勝てないのかな…」。
”大将”と呼んで慕う師匠格の池田勇太は、今年のミズノオープンで、11年連続の勝ち星を記録した。
「1年で1勝する勇太さんが凄いというのを思い知らされた」と改めて、その執念に驚愕。
時松には勝ちたい、と思うほどに勝利は逃げていく気持ちがしてしまう。
「積極的に行けない。消極的に考えることが多いので」。
この日3日目の後半、13番のボギーで一度は気持ちが折れかけた。
14、17番のバーディで、息を吹き返した。
「なんとか優勝争いには残れた」と温厚な性格を、懸命に奮い立たせる。
勝てば3年シードの日本タイトル。
「でも、僕の中ではタイトルというよりも、どんな試合でも優勝することに意味がある。勝ちたい気持ちをぶつけていければ」。
今年、逃がし続けた1勝を、最後の最後につかんでみたい。