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新・選手会長が初仕事。高松宮妃癌(がん)研究基金への寄贈式に出席
亡き高松宮妃殿下のご遺影の前で、昨年のツアー会場で販売されたピンフラッグの売り上げの一部など、計80万円を佐藤進・参与に手渡し「選手みんなで協力しあい、集まったお金です。今後の明るい未来のために使っていただければ」。
1994年から続けてきた選手会の”伝統行事”のひとつである。今年で26回目を数える寄贈式の総額は、1億8189万8779円に到達し「ご協力いただいた選手のみなさんには感謝でいっぱい」。
初の大役を無事終えた。
選手会長に決まった直後は、テレビ局から祝福の花束が届いたり、さまざまな反響があったという。
「大丈夫か」と、気遣ってくれる仲間たちからの声も多く、JGTOの相談役の丸山茂樹には「ご協力をお願いします」とすぐに連絡すると、「なんでも聞いてね」との返信をもらったという。
「これから会議やミーティングの時にもまた不安を感じることがあると思いますけど、その時こそ副会長の勇太さん、遼さん、小鯛さんの支えを感じると思います」。
JGTOのSNSに寄せられた、ファンからのたくさんの応援メッセージも励みだ。
13年に19歳で、プロデビューしてからゴルフ一途で3勝を重ねた。「今までは、自分のゴルフだけ徹底してやればよかったですけど、これからは見に来ていただいた方に、いかに楽しんで帰っていただくかも考えながら試合に出たい」と、決意も新た。
「試合数を増やすことも目標ですけど、遼さんから変わって『減っちゃった』というのも責任問題になると思う。今年も25試合やっていただける主催者さんに『面白くないね』などと言われないことも大事。僕一人だけじゃできないことですけど、両方大事にしていきたいと思う」と、神妙に話した。
同時に、未勝利に終わった昨シーズンを返上する”両立”も、重要課題となる。
「去年のいまごろは、練習の時間がたっぷりありましたけど、今年は限られた時間の中で、オンオフの切り替えをしっかり、濃い練習をしていかないといけない」と、4月の開幕に向けて気を引き締めた。
地元福岡から朝8時の便で飛んできたこの日は、すぐ夕方の便でトンボ帰り。
寄贈式後に雑誌社の取材を受けたこともあり、3月に出席を控えた主催者会議の打ち合わせは羽田空港までJGTOスタッフが送る車中で慌ただしく済ませた。
少し気疲れした様子で、飛行機に飛び乗った新選手会長。初出張の1日は、あっという間だった。