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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ ダイヤモンドカップゴルフ 2019
香妻陣一朗が″金村親子″に感謝の上昇
シード復帰を目指す24歳が、風の止み間に上昇だ。
推薦出場の香妻が、難コースで67を出した。
前半、まずはチャンスの14番パー5。220ヤードの2打目を4番Iで、奥4メートルに乗っけた。
イーグルを奪うと次の15番は前日、誰一人としてバーディがなかった最難関の15番。210ヤードの2打目を5番Iで、花道からうまく転がしOKバーディで弾みをつけた。
初シードから、2年守ったシード権を失った昨年。
ファイナルQTランク8位で、出場権を取り戻してすぐ香妻が取り組んだのは球筋の変更。
元々ドローヒッターには「ピンが右の時にミスが多かった。それをなくしたい」。
フェード打ちに励んだオフの成果が、向かって右に折れるホールが多いここ総武でこそ役立った。
「今日のティショットもほとんどフェードで打ちました」。
2打目以降は状況で、器用に左右に打ち分け初日の65位タイから、首位も見える位置まで一気に浮上。
日亜共同主管の今大会は、両ツアーで出場枠を半分ずつ分け合うため、本来は香妻まで出番は下りていなかった。
推薦をもらえるように、主催者に掛け合ってくれたのが元プロ野球選手で解説者の金村義明さん。
今週は、その息子さんの昭典さんがバッグを担ぐ。
石川遼を輩出した都内の杉並学院高校出身で、一度はゴルフ雑誌の編集に従事したが、ある企画で高校同期の浅地洋佑のプロキャディをつとめて「向いてるかも」と、開眼。
脱サラ3年目の今年は主に、一つ下の香妻のサポートをすることになった。
「僕は性格が、野球には向いてなかった」と昭典さんは笑うが、頼りがいのあるがっちり体形と、明るい性格はお父さん似。
「今日は親父も喜んでると思うよ」と、笑顔で言われて恐縮しきりの香妻。
今週は、親子ともども世話になる。
「せっかく頂いたチャンス。このまま上を目指していきたい」と、意気込む。
ちょうど開催中の女子ツアーで、共にV争いを始めた2歳姉の琴乃さんの存在も「刺激」に「僕も今年こそ、優勝したい。目標はずっとそこ」。
この勢いで、恩人に感謝の1勝を捧げられれば。