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東建コーポレーションカップ 2002

10年ぶりに日本ツアーに専念 尾崎直道が、3アンダー、暫定5位タイ

衛星放送から映し出されるPGAツアーのことは「まるで、他人事のように感じながら」、開幕までの3ヶ月間、直道は今までになく厳しいトレーニングを課した。
 10年ぶりに専念する日本ツアーで「絶対に、賞金王に絡んでいくぞ」という、意欲のあらわれだった。
 昨年9月、悩みに悩んだ末に、米ツアーからの撤退を表明。
 今大会の出場は、実に9年ぶりのことだ。
 「久しぶりに会場に来たら、知らない選手の名前がいっぱいあって。挨拶されても『誰だろう?』なんて首をかしげながらね」と笑いつつ、
 「でも、知らない名前だからって、侮れない。今の若い子はみんなよく飛ばすし、すごいプレーをする子がいる」と、改めて、日本ツアーのレベルアップぶりを、肌身に感じている。
 そして、だからこそ、直道の闘志はますます燃えさかる。
 「野球も開幕戦から、ペナント優勝を目指していくように、ゴルフもやるからには、第1戦から頂点を視野に、戦っていかなければ。今週、僕も良いスタートを切って、賞金王の手ごたえをつかみたいんです」

 この日の初日、3アンダーでまわって暫定4位タイと、まずまずのスタートには、「がっついていかないといけない決勝と違い、予選は、みんなにうまくついていければいいから」と、満足そうに振り返り、
 「アメリカで10年やったから、日本でもやれるというわけではないが、何かしら体に染み込んでくるものはあるはず。そう信じて戦わなければ、とも思う」と、8年間、米ツアーのシード選手として奮闘してきたプライドも、にじませていた。

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