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1日で病みつき。片岡尚之が米ツアーの虜(ZOZOチャンピオンシップ)
最終ホールの9番で、片岡尚之は「人生で一番の歓声を聞きました」。
220ヤードのフェアウェイから打った2打目は5アイアンで、左の林に打ち込む大ピンチ。
のぼって、すぐ下ったところに切られたカップは見えず、「パーは無理。ボギーでいい」。
52度を握った覚悟のアプローチは手前の傾斜で「トン、トン、トン…」と弾んで山を越えるとしばらくのちに、大歓声が上がった。
この日5つ目のバーディはピンチが一転、チップイン。
お客さんの拍手と共に嬉しかったのは、同組のトミー・フリートウッドとのハイタッチだ。
「すごく紳士で、優しくて…。英語がわからない僕にも聞き取れるよう話してくれたり、よいショットにはいつも声をかけてくれた」と、感動しきり。
最終ホールの余韻も手伝い「今めちゃめちゃハッピーです。幸せをかみしめています」。
2週前の「ブリヂストンオープン」3位の資格で米初出場を果たしたが、実はジュニア時代にナショナルチームで経験した時からアメリカは、苦手だった。
「まず英語が話せない。食事もあんまり…。正直、日本でいいかな…と、思っていた」という。
しかし、初日で一変。
世界ランク40位のフリートウッドと、メジャー1勝のブラッドリーと立った習志野は、日本であって、日本でなかった。
「雰囲気はもう米ツアー。日本とは思えない感じ」。
緊張する、というよりは「楽しくて仕方なかった」と、ウキウキした。
5000人という人数制限はあっても、コロナ禍の昨年、プロ転向した片岡にとっては「初めてに近いくらいの大ギャラリー。こういう舞台でプレーして、目立ってみたくなりました」と、すっかりクセに。
「今日は3回も林に入れました」と、ショットの絶不調をどうにかパットで補い、2アンダースタートは「上出来です」。
初日は上々の13位タイにつけたが「毎日、こんな上手くいくとは思っていない。1日1日頑張るだけ」とそこは謙虚だったが、「決勝ラウンドでは松山さんと回りたいです」。
まずは日本で偉大な大学先輩と、週末の直接対決で大いに目立つ。