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ダンロップフェニックストーナメント 2004
横尾要「楽しみ、嬉しい、嫌な気持ち。すべてが当てはまる」
誰もが渇望するウッズとの同組ラウンド。
通算5アンダー単独2位で、3日目にしてその席を射止めた横尾は、しかし、複雑な心境を吐露した。
「楽しみな気持ち、嬉しい気持ち、…嫌な気持ち。今の僕には、そのすべてが当てはまる」。
この日2日目。18番ホールで残り237ヤードの第2打を、ウッズは5アイアンで打った。
「飛距離が違えば、ゴルフも違う。237ヤードを5番アイアンで打つような人と、誰も一緒には回りたくないですよね…」。
この日のウッズは2位で追い上げてきた横尾のスコアを気にしていた、と伝え聞いても「え〜本当ですかぁ??」と、どこまでも疑いの目。
世界ランク2位の選手が、自分のことを気にかけるとは、とても思えなかったらしい。
それほどまでに、ウッズを特別視している。
3打差で迎える大会3日目は、そんなウッズを横目に、自分のプレーを貫くつもりだ。
この日ドライバーを使ったホールはわずかに7回。古い松林にセパレートされたここフェニックスでは「とにかく安全に、刻んでいく」。
ウッズは、「飛びすぎて突き抜けてしまうこと」を警戒して、スプーンやアイアンを握るのに対して、横尾は完全なる安全策だ。
特に4番のパー5は、ドライビングディスタンスを計測していることもあり、大いに迷うところだが、「勇気を持ってスプーンを握る」。
おかげで、初日は78位、2日目は79位と「下から数えたほうが早いくらい」、飛距離では低迷しているが「それでもスコアメイクを優先させる」。その結果の単独2位だ。
クライマックスの18番パー5も、もちろん、「ティショットはスプーン」だ。
優勝を飾った2002年の今大会は、最終日にドライバーを持って失敗した。2オン狙いの第2打を左バンカーに打ち込んで、ボギーを打った。
それまでに、2打差つけていたために逃げ切れたが、「あれはレイアップすべきだった」。
今大会、8年連続出場の横尾には、そうした反省材料があることが強み。
前回同様、並み居る世界ランカーを押しのけて、区切りのツアー通算5勝目をつかみたい。