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開幕第1打の星野陸也は「ツアー1年目より緊張しました」(東京2020)

大役を終えました©IGF
通常トーナメントのスタートでは、時刻までにめいめいティに上がり、時間になったら一人打つ毎に選手紹介される。

だが、それぞれ国旗を背負って出る五輪では、まずティ横で3人整列。
その場で国名と選手名が順に読まれる。
それからおもむろに入場、打順に入る。

各国で揃えた公式ウェアからも立ち昇る。
メジャーともどこか違う特別感。
その中で、25歳の日本代表は、7時30分の第一組で登場。
さらにその一番手で名前を呼ばれた。

開幕の第一打を打つという大役を担った星野陸也は、「たぶん、ツアー1年目の初めてのティショットよりも緊張した」。

首筋を伝う大粒の汗が物語っていた。

「フェアウェイキープします」と、宣言したのは初日の組み合わせが発表された直後の火曜日の公式会見だ。

言った手前のプレッシャー。
だから、余計に「良いショットが打ててよかった」と安堵した。

この日最大の重圧を、有言実行で乗りきったがその後も緊張は長く続いた。

記念すべき1番、2番でパーを重ねると、3番では5メートルのチャンスを沈めて五輪最初のバーディを奪った。

だが、6番では右バンカーからホームラン。奥からの4打目も乗らず、5オン1パットのダブルボギーを喫した。
「前半でトラブルがあって、そこからなかなか良い流れでいけなかった。いつも以上に緊張があった」と、8番では絶好のイーグルチャンスを外した。
12番ではティショットを右の林のほうに打ち込み、左側のラフに出すだけ。
ボギーを叩いた。

1メートル弱につけた14番から連続バーディで、ようやくイーブンパーに戻して初日のプレーを終えたが、同組のセップ・ストラカ(オーストリア)は8アンダー、トーマス・ピータース(ベルギー)が6アンダーと、隣で大量スコアを記録。
「他の2人がどんどん伸ばしていったけど、悪い流れをなかなか切り替えられずにいた」と、ひとり遅れをとった。

でも、「ティショットは完璧くらいに良かった」と、悪い中でもプラスを見つけて、悲観しない。

「前半のトラブルは悔しかったけど、そこからしっかり戻せた。まだまだ時間がある。明日はしっかりいい流れに乗って、バーディ量産して、もっと上を目指して頑張りたい」。
まだ、始まったばかり。
初日の大役は万事、終えた。
「普段の試合とは違う緊張感があるけど、しっかり楽しんでやれれば」。
あとはのびのびやるだけだ。
  • 明日から上昇……!©IGF

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