シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」から一夜明けた6日。
賞金王のチャン・キムにさらなるサプライズが待っていた。
各部門別ランキングの年間1位者を表彰する「20ー21年度ジャパンゴルフツアー表彰式」の会場で、バーディ率のほか、最優秀選手賞も獲得していたと、直前に知ってびっくり。
「まさか自分がMVPなんて。ほんとに知らなかったんです」と188センチのスーツ姿をのけぞらせて「今シーズンの成功の証。素晴らしい賞をいただき、本当に嬉しく思います」と、二倍の喜びに浸った。
コロナ禍で統合された異例のロングシーズンは、キムら海外勢には特に、困難な2年間だった。
「試合に出たくても、僕たちはまず日本に来る手続きから始めなくてはいけない。ほんとうに大変でした」。
入国制限や来日後の隔離など、プレー以前に立ちはだかる様々な困難を乗り越え栄冠をつかんだ。
「ビザの取得など、スタッフや選手会のみなさんが、僕のために力を尽くしてくださったからこそです」と、昨年の11月から参加して、今季3勝を達成できたことに対して改めて感謝。
「本当にありがとうございました」と、腰を折る。
米国で待つご両親は、賞金1位で迎えた先週の4日間も、本人以上にハラハラ、ドキドキで見守ってくれたそうだ。
「会場で一緒に、お祝いすることができなかったのは残念でしたけど昨日、記者会見が終わってすぐ電話をしました。向こうは朝の6時頃だったけど、僕の結果が決まるまでずっと起きていてくれたみたいで『あなたのことを誇りに思う』と。いつも言ってくれることなのですが、昨日は特別に嬉しかった」と、笑顔がとろける。
賞金4位で終わった一昨年は、車をプレゼントしたそうだ。
「今年は何にしようか。ペアの時計か…、今年は奮発して、家のリフォームなんかもいいかもしれない」と、さっそく親孝行に頭を巡らす。
「昨日、電話した時にはMVPを獲っていたなんて、自分でも知らなかったから、両親にも報告できていないんです。びっくりして、もっと喜んでくれると思います」。
嬉しいサプライズなら、何度でもいい。
※6日に都内のANAインターコンチネンタルホテルで行いました「20ー21ジャパンゴルフツアー表彰式」も、2年ぶりの開催でした。
例年は年間表彰者のほかに、シード選手たちなどその年を通じて活躍した選手たちが参加し、男子ゴルフを支えてくださったスポンサーや関係者、ボランティアやファンのみなさまをお招きし、直接、感謝を申し上げる場でしたが、今年は年間1位者のみの出席とするなど、感染防止を徹底して開催させていただきました。
コロナ禍の困難が続く中でも変わらず男子ゴルフに温かなご支援、ご声援を送ってくださいましたすべてのみなさまに、この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。
<受賞者一覧>
・最優秀選手賞 チャン・キム(初受賞)
・賞金ランキング チャン・キム(初受賞)
・メルセデス・ベンツトータルポイントランキング賞 大槻智春(初受賞)
・最優秀新人賞 島田トロフィ 金谷拓実(初受賞)
・AbemaTVツアー賞金ランキング賞 久常涼(初受賞)
・平均ストローク 金谷拓実(初受賞)
・平均パット賞 片岡尚之(初受賞)
・パーキープ率賞 金谷拓実(初受賞)
・パーオン率賞 阿部裕樹(初受賞)
・バーディ率賞 チャン・キム(初受賞)
・イーグル率賞 大槻智春(初受賞)
・ドライビングディスタンス 幡地隆寛(初受賞)
・フェアウェイキープ率賞 稲森佑貴(6シーズン連続6回目)
・サンドセーブ率賞 時松隆光(初受賞)
・トータルドライビング賞 大槻智春(初受賞)
・特別賞 @中島啓太(初受賞)
・ゴルフ記者賞 金谷拓実(初受賞)