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今週、中嶋常幸らが和合近郊の心身障者害施設に スナッグゴルフコーチングセットを寄贈(3月23日)

「毎年、ここに来るのが本当に楽しみなんです」


ここ5年間というもの中嶋が、和合に戻ってくるたびに必ず立ち寄る場所がある。
コース近郊にある心身障害者小規模授産施設「たんぽぽ作業所」だ。
練習日の火曜日に、地元出身の鈴木亨や桑原克典、宮瀬博文など、若手選手を引き連れて、施設のみなさんと交流を図るのが恒例となっている。



はじめのきっかけは98年大会。その2日目に和合の1番パー4(当時、341ヤード)で、中嶋が、ホールインワンのアルバトロスを達成したときだった。大会とコースから、あわせて130万円のお祝い金を受け取ったが、「これをなんとか地元地域の活性に役立てられないものか」と考えた中嶋は、同施設への全額寄付を決めたのだった。
以来、毎年欠かさず続けている施設訪問は、これで5回目となった。大会が、記念の45回目を迎えた今年、中嶋はまたまたビッグなプレゼントをたずさえて、「たんぽぽ作業所」に帰ってきた。
鈴木と桑原らいつものメンバーに加え、USPGAツアーへの参戦で今年は大会にエント リーしていない宮瀬のピンチヒッターとして、ディフェンディングチャンピオンの星野英正の合計4人で、スナッグゴルフのコーチングセットを同施設に寄贈。27日(火)に、その贈呈式を行ったのだ。
今回の寄贈にあたって中嶋ら、選手たちがいちばん心を砕いたことは、この“贈り物”がけして押し付けであってはならない、ということだった。
「やはりね、みなさん体に不自由を持った方たちだから。怪我をされたりの危険が あったり、使えないものを、無理にお渡しするわけにはいかないと思ったんです。だから施設の人たちと、事前の話し合いを十分に行いました。でも幸い楽しく使っていただけそうだということがわかって、今回の寄贈が決まりました。僕らが贈ったコーチングセットを通して、身障者のみなさんにもゴルフの面白さを理解していただければほんとうにうれしい」(中嶋)。
贈呈式のあとは選手と、通所者のみなさんで、今年も和気あいあいとした時間がもたれた。
通所者のみなさんからは、選手たちへの花束贈呈や歌のプレゼント。選手たちからのお返しは、パッティングのレッスン会だ。



そのあと振舞われた寿司は、中嶋と25年来のお付き合いで、地元・春日井市で飲食店 を経営する山内和義さんがご好意で握ってくださったものだ。選手たちも、山内さんの手つきを見よう見まねで自らシャリを握り、通所者のみなさんに振舞った。
楽しい時間は、あっという間に過ぎていった。
最後に、通所者のみなさんひとりひとりと握手をしながら、「また必ず来ますからね!」と、選手たち。
「今では、すっかり顔なじみになって、アイコンタクトだけで心が通じ合える人もいる。毎年、ここに来るのがほんとうに楽しみなんです」(中嶋)。
「来るたびに、僕らのほうが励まされている、と感じます。来年は、みなさんがスナッグで楽しんでいる姿が見られるのかな。ぜひ、一緒にプレーしたいですね」(桑原)。
また来年まで、しばしのお別れ。名残惜しく、再会の約束をして選手たちは施設をあとにした。