自宅でお母さんとおばあちゃんと一緒に
当時、笠間市に合併前の、旧笠間市、旧友部町、旧岩間町の3つの市町が一体となっ て、各教育委員会の統括のもとに活動が始まり、現在も笠間市教育委員会と笠間市体 育協会アマチュアゴルフ部の支えにより、その活動はより活性化している。
この継続した活動により、笠間市の小学校は昨年のスナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ 全国大会で、稲田小学校が優勝。上位4校のうちに市内の小学校が3校入るなど、目覚 しい活躍が続いている。
練習では300球を打ち込む
そして、その成果はスナッグゴルフに留まることなく、白球のゴルフでも現われ始め た。
友部第二小学校の佐久間綾女ちゃん(現在は友部第二中学校1年生)が、今年4月2日に 城里ゴルフ倶楽部で開 催された、第1回茨城県ジュニアオープン選手権小学生女子の部で見事に優勝を果た した。
得意の7Wを持って
2005年7月に開催された第3回 スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ全国大会に出場した経験のある綾女ちゃんは、 小学校4年生のときに学校から配られたプリントをきっかけに、スナッグゴルフの活 動に参加し、予選を勝ち抜いて全国大会に出場した。
そして全国大会で実施された小学生ゴルフセミナーで、同じ笠間市内のお友達と出会 い、全国大会が終了した夏から、一緒にゴルフに移行した。
現在、練習は自宅から車で20分ほどにあるエースゴルフスタジアムに通う。ここには ジュニア教室があり、500円で練習できる環境が準備されているからである。 スクールは月曜、水曜、金曜、土曜に行なわれるが、昨年の6月からは毎日通い、毎 日300球の練習を続けている。
スナッグゴルフとゴルフで上達したのはゴルフ技術だけではない。 3年生まではマラソン大会の順位は「後から数えたほうが早かった」が、6年生のとき には15位と、体力も向上した。またおばあちゃんによると「根性ができた」といい、 毎日の練習を続けることができていることに感心している。また、積極的で、礼儀正 しくなり、お友達も増えたと、生活面での前向きな変化がみられたそうだ。
綾女ちゃんの指導にあたるエースゴルフスタ ジアムの舘英樹さんによると、10年前から始めたジュニア教室は、自身の子供を 含めて7人からスタートし、現在は約60名になっており、そのうちスナッグゴルフか らゴルフに移行して教室に通う子供が綾女ちゃんを含めて3名いるそうで、これまで にのべ350名がこの教室に参加したそうだ。その中から森桜子さんなど実力者も輩出してい る。
舘さんはゴルフの指導だけではなく、教室に参加する児童のために、中学校で運動ク ラブに入らなければいけない慣習のある中学校をまわり、ジュニア教室がクラブ活動 と同等であることを説明し、学校の理解を得る努力もしているそうで、その活動の甲 斐あって、平日に行なわれる試合への参加の際には、学校を公休扱いにしてもらえる ようになったという。
また、茨城県アマチュアゴルフ連盟では、県体育協会と連携して国体選手の候補とな るジュニア強化チームを3年前から作り、城里ゴルフ倶楽部を夕方に無料でプレーで きるなどの環境が提供されており、綾女ちゃんなど15名の中学生が候補者に選ばれて 練習を行なっている。
スナッグゴルフから移行してゴルフに本格的に取り組くんだ綾女ちゃんを筆頭に、今 後、笠間市からゴルフに移行する可能性のある児童が多く存在する。 先週土曜日に宍戸ヒルズカントリークラブで行なわれた茨城地区予選会に向けたスナッグゴルフ合 同練習会には110名もの児童が参加したという。
公立の小学校の校庭でスナッグゴルフに触れ、スナッグゴルフの全国大会に出場した 綾女ちゃんの家庭は、お父さんが消防署、お母さんが市役所、おばあちゃんが美容室 という家庭である。この環境から、ゴルフの技術と社会性を兼ね備えたジュニアが、 夢に向かった努力は始まったばかりだ。
<第1回茨城県ジュニアオープン選手権の上位成績>
中学生男子の部(6,596Y)
優勝 滝雅志(水戸) 80
中学生女子の部(6,081Y)
優勝 飛田愛理(水戸) 76
小学生男子(6,081Y)
優勝 榊原一摩(阿見) 80
2位タイ 大貫渉太朗(笠間・第二小学校) 83
小学生女子(5,210Y)
優勝 佐久間綾女(笠間・第二小学校) 74
2位 西村美希(東京) 76
3位 長谷川里那(埼玉) 80