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ダンロップ・スリクソン福島オープンゴルフトーナメント 2019

宮本勝昌が10年目のゴルフ伝道の旅

コツコツと歩み続けて早10年が経った。ジャパンゴルフツアー選手会による「ゴルフ伝道の旅」。今回は、10年前にその"第一歩"を踏み出したプロの巻。
「僕たちプロが全国各地の小学校に出かけていってゴルフを教えたり、お話をしてはどうか」と、宮本勝昌が口火を切ったのは、選手会長時代の2009年。
鳥取県の米子市立箕蚊屋小学校がその1校目。以来、プロたちの持ち回りで訪問を重ねてきた。
宮本には2校目となった2014年の岩手県宮古市立崎山小学校では、金髪アフロのかつらをかぶって登場し、子どもたちを沸かせたものだが「僕も今年47才。歳をとりました」。

この日25日はベテランらしく、粛々と校門をくぐったのはまさに今週の大会の"お膝元"。
福島県の西郷村立米(にしごうそんりつよね)小学校は、「ダンロップスリクソン福島オープン」の会場まで、なんだったら歩いても行ける。「グランディ那須白河ゴルフクラブ」とは、道1本挟んですぐお隣。
練習日の25日火曜日の午後からちょこっとコースを抜け出して、放課後の5.6年生70人余にスナッグゴルフを教えに行った。

自身の人生を重ね合わせてお話をする「夢を持とう」と題した講話もちょうど10年前に、宮本が最初に始めたことだ。
ホワイトボードには、あらかじめ「誕生→小→中→高校→大学→現在」と時間軸を記したフォーマットは10年前と同じでも、宮本はあえてそれと逆向きに矢印をつけて、「夢←目標←日課」と書き込んだ。
さらに一段下げて「経験値」とだけ書くと、端的に語った。

「夢は壮大なもの。目標はそれと比べると現実的で、日課は毎日決まったことをやること。僕は、実はこの日課が一番大事だと思っていて、日課を続けることで、目標に近づき、目標をクリアにしていくことで、夢はかなうと思っています」。

父・勝雄さんの指導で13歳からゴルフを始め、今年5月に令和最初の「中日クラウンズ」でツアー通算12勝目を飾った。
10年前には、ボードに律儀に自身の生い立ちから板書したと思うが、今は自身も同じ年ごろの息子2人を持つ父となり、何が一番子どもたちの心に届くか少しはわかるようになっていた。
「ゴルフを始めたころからただゴルフが好きで、毎日練習してその先に、目標や夢ができた。プロになってもその繰り返しでした」。
25年のプロゴルフ人生を、簡潔な言葉に集約させると「経験値は良い行いだけでなく、たとえ悪いことをしてしまっても、反省してそれを今後に生かすことができれば、プラスされる」。
子どもたちと同じ目線で語る憧れのプロの言葉に、共感する子が続出した。

スナッグゴルフの講習会で宮本と、ハイタッチを交わして「もう手が洗えない」と興奮していた子。
ガチンコ対決でプロからみごと勝利をもぎ取り、サイン入りのキャップを獲得した5年生の渡辺怜音くんは「夢みたいだ…」と、放心していた。
「17年大会の優勝者で、今年も5月に優勝されたばかりの旬のプロが、まさか私たちの学校に来てくださるとは…」と、子どもたち以上に夢見心地だった、小峰光校長先生。
「出会いは一期一会。今日みなさんは宮本プロと出会って、何を感じ取ることができるだろうか」と、冒頭で生徒たちに問いかけた。「これからの糧にしてほしい」と、ひそかに願った小峰校長先生も、プロを見上げる子どもたちの真剣なまなざしに、安堵の息を吐いた。

最後に子どもたちが歌ってくれた「翼をください」を一緒に口ずさんだ宮本。みんなで声を揃えて「福島オープンで、優勝を目指して頑張ってください」と、エールを贈ってくれた子どもたち。
「小学校に来るといつもそうですけど、子どもたちに元気とパワーをもらえます」。子どもたちがくれる感動は、10年経った今も変わらない。

コースに勤務する武田正敏さんは、同小学校のPTA会長でもあり「希望児童を募ってぜひ会場にも応援に連れてきたい」と、週末の応援ツアーを練っておられるそうだ。
昨年は、直前に神経の病にかかり無念の欠場をした。
2年越しの"連覇"をぜひ、子どもたちに献上できれば。
  • やったね、渡辺くん!
  • ふれ〜〜〜〜ふれ〜〜〜〜み、や、も、と! 子どもたちから力強い応援。…ありがとう!!
  • また週末にコースで会いましょう

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