体育の授業以外にも、休み時間でも場所を見つけては子供達が自主的にプレーする。この日は楽しみにしていた大会が延期となっただけに、元気一杯の子供達は先生の許可を得て、校長室の一角でパター練習が始まるほど。
子供達が「去年、轟プロと戸軽プロに教えて貰った!」と言うように、多度町の学校は大会を開催するまでにコツコツ準備を行ってきた。
社団法人日本女子プロゴルフ協会から講師を迎えて指導を受けたり、男子ツアーの『東建ホームメイトカップ』の会場には、多度南小学校の5・6年生の27名が社会学習見学の一環で訪れた。プロから貰ったサインは思い出の品となり、プロのショットやテレビ放送センター見学は子供達にとって初めて見るものばかりで興味津々。
岸本哲明校長は「子供達は大いに喜んでいました。来年も機会があれば、是非会場に行かせていただきたいと思います。地域に対して理解がある主催者で、地域に開かれたゴルフ場というイメージです。」と笑顔で話す。
スナッグゴルフはゴルフに準じたルールで行うため、紳士的な意味合いも強く、自主的にルールを守ろうとする。自分のスコア以外にも相手のスコアも確認する事で仲間意識も芽生える。自分とのプレッシャーと戦う事ができ、相手とのスコア勝負が一番重要でもない。
例え、OBを打ってしまったとしても、ルールに基づき、やり直す事やリカバリーする事も可能だ。 また、4~5人のグループで活動をする機会が多い小学生には、人数的にもバランスが良く、学級作りにも役立つ。また、体力がない子もプレーしやすい利点もある。
他にも、岸本校長は今大会を3つの小学校合同で行うのには意図があると言う。 3つの学校のメンバーが1つのグループを形成するので、大人数で行動する事を体験して貰うことになる。田舎の学校では中学校になって数校が交じり合うと、稀に子供達は慣れない環境やメンバーに萎縮してしまい、子供達が持っている本来の魅力がなくなる事がある。団体行動を今のうちに経験して貰う事で、魅力ある子供に育って欲しいという願いがある。 それを、スナッグゴルフを通じて体験して貰う事が今回の狙いだ。
10日は雨の為、延期になってしまったが、11日も大会予備日として設定している。もし、今回行えない場合は、秋に再び実現する方向だ。いずれゴルフ場の芝の上でスナッグゴルフをプレーできるように、少しずつ取り組みを行い、楽しみにしている学校がここにあった。