前のホールでボギーを叩いたのがむしろ奏功した。
実測105ヤードに設定された7番のパー3は「手前が池なので、戻りすぎて池に入ることもある」と、先に打った選手の球筋や、行方を注意深く観察して54度のウェッジを選択。
距離が短いからこそ問われるテクニックを駆使して最後に打ったティショットを、右奥5メートルに落としてバックスピンでカップイン。
初出場での自身の初快挙に「まさか入るとは。打った本人がいちばんびっくりしています」と、大喜びだ。
出だしの10番、11番での連続ボギーも回収し、エース直後の8番もバーディ。2アンダーで上がってこられた。
あの戦国武将と一字違いということで、初対面で必ず聞かれる質問を、今回はあえて先回りで「末裔、じゃないです」と、回答。
でも代々、男児の名前には必ず「信」の一字を入れ、「そういうのもあって、歴史好き」と、今は真田幸村に心酔し、出身の福井工業大学では、ゴルフ部で活躍しながら原子力を専攻するなど、文武両道を地でいく現在22歳。
等賞ホールではなかったが、主催者からご褒美の10万円も「明日以降にもつながります」と、かたじけない。
ひと振りでおいしい“一刀”に弾みをつけて、初日25位タイから天下取りを模索する。