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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2022

憧れはウッズ、ライバルはケイタ。デビューを2日後に控えたタイガ「プロなら肩が痛かろうが…」蟬川が所信表明

10月31日に、プロ転向を表明した蟬川泰果(せみかわ・たいが)が、今週の「マイナビABCチャンピオンシップ」でプロデビュー戦を迎える。

開幕を2日後に控えた11月1日、練習後に公式会見に臨み「こうして取り上げていただいて、嬉しい気持ちと、さらにここから良い結果を残していかないと評価されなくなる。そういった自覚が芽生えています」などと、心境を語った。



先月の「日本オープン」で大会史上95年ぶりのアマVと、ツアーでは9月の「パナソニックオープン」に続く史上初のアマ2勝を飾ったばかりだ。

「いざデビュー戦ということで、また優勝を期待していただいている。そういった意味でも勝ちにこだわっていきたい」と、強い意志を示す。


先日のV会見では“世界4大メジャー制覇”と“日本ツアーでの賞金王獲り”を将来の目標に掲げたが、「今は目の前の試合で優勝することしか考えていないです」。

プロ初戦を迎える本大会は、車でわずか20分の兵庫県加東市にあるABCゴルフ倶楽部が舞台である。


4歳で大会初観戦し、小6で初ラウンドを経験した。

「グリーンは大きいんですけどアンジュレーションがあり、ラフも逆目からの打ち方などめちゃくちゃ難しいなと思いながら回りました」との第一印象が、今では「飛ばし屋有利。僕は飛距離が出る方なので、そこから短いクラブでチャンスにつけて、バーディを獲る。伸ばし合いのイメージもありますので、自分のプレースタイルとフィットしているのかな」と、感じられるまでに成長して来た。


2009年大会では、ジュニアレッスン会にも参加し、石川遼から指導を受けるなど、幼少期からの思い出が一杯詰まる。

興國高校1年時に大会初出場した2016年は、プロの試合で初の予選を突破。

当時、キャディで支えてくれた父親の佳明さんから学んできたのはゴルフの技術だけではない。

「何をするでも腰を据えて取り組まなければいけない、と。プロになり、父の生き方をより強く意識するようになりました」と、改めて献身に感謝し、「家族みんなが喜んでくれるのは僕がトロフィーを持って優勝する瞬間だと思うので、ぜひ親孝行したい」。
家族の存在が、いざ賞金を求めて戦うプロとしての自覚をおのずと高めてくれる。


昨年大会では、出場アマ9人中唯一の決勝進出を果たした。
「去年は初めてのローアマを獲ることが目標でしたが、今年はツアーで2勝もして、また優勝を狙って来ました。気持ちが全然違う」とわずか1年で、心の成長も著しい。


名前の由来でもあるタイガー・ウッズに憧れて、プロを目指した。
「林の中からベタピンにつけてくるとか、あり得ないショットを打つ姿に惹かれました」と、今も一番のお手本だ。

「自分も圧倒的な強さプラス、ファンの方に見たいと思っていただけるようなプレーを意識したい。どうしたらカッコ良く見せられるかなど。先輩プロのみなさんからも学んだり、振る舞いなども自分なりに追求しながら、やっていきたい」と、理想の将来像を語る。


「日本オープン」からすぐ先週は、アマ最後の試合となった「全日本学生ゴルフ選手権」に参戦。MVPを獲得して帰宅したばかりだ。

「首と肩に来ている」と連戦の疲労はあるが、「肩が痛かろうがギャラリーのみなさんが来てくださる前で、いいパフォーマンスを見せるのがプロ。そのあたりの自覚も持ってこの試合に臨みたい」と、力をこめた。


今も昔も「ライバル」を公言するのは、2ヶ月前にプロ転向した同学年の中島啓太だ。「僕が思っているだけなんですけど、ケイタは以前からずっと自分の上を行っていて、絶対に負けたくないと、追いかけてきました」と、これからも抜きつ抜かれつ男子ゴルフを盛り上げて行く。


デビュー初日は、昨年覇者の浅地洋佑(あさぢ・ようすけ)と、2008年に今大会でプロ初勝利を飾った石川遼と同組になった。


初日の組み合わせ


「デビュー戦から有名な選手と回れるのはとても光栄なこと」と喜ぶが「そこで満足するのではなく、そういった選手ともしっかりと勝負して、勝っていければと思います」と、底抜けの負けん気で、伝説の先輩プロともいざ勝負!


ツアー史上6人目の「出場3戦連勝」(※)の偉業もかかる。
「記録に挑めるというのはなかなかあることではない。達成できたらかっこいいな、と思います」と、21歳のホヤホヤ1年生はどこまでも勇ましい。

※過去の出場3戦連勝は、グラハム・マーシュ、謝敏男、青木功、尾崎将司、片山晋呉ら現在5人

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