「もう少し行けたかな、とも思いますがタフなセッティングの中で、耐えるところもあったし、このスコアは上出来じゃないかと思います」と、いずれもティショットを左に曲げながら功名なショートゲームでこらえた8番と11番のパーセーブも、見せ場とした。
2019年の今大会は、大学先輩の米澤蓮のキャディとして入場。
3年後にプロとして戻り、首位と2打差の通算6アンダーで、先月のアマ2勝に続く、プロ初勝利での3勝目をにらめる好位置。
「当時の自分には想像できていない。成長したなと思います」と、実感できるV争いだ。
地元兵庫でデビュー戦を迎えた先週の「マイナビABCチャンピオンシップ」は大勢の応援団を背負いながら、本人にも悔しい28位に終わったが、1Wを握ってどこまでも果敢に挑む戦略が今週はハマっている。
2日間を共にした星野陸也が「あれだけドライバーで攻めて、しかも曲がらない選手は初めて見ました」などと驚愕していた。
「自分もと、力んでしまった」と、苦笑した。
この日2日目は、平日の今季最多を記録した初日をさらに上回る5131人が来場。
そんな中、プロ転向後の同組対決で一番を争う注目を集めた。
同学年の中島啓太も「タイガは1Wでアグレッシブに攻めていた。自分もいつかはそんな精度を持ちたい」。
通算4オーバーの56位タイから蟬川との10差を追いかける。
プレー後は、2人揃って延々と最後まで、サインの行列に対応する若い背中が頼もしかった。
蟬川は、2013年の松山英樹に並ぶ最速のプロ初Vと、史上初のアマ、プロ同一年優勝の偉業もかかる。
「明日もアグレッシブに、ひとつでも多く食らいついていきたい」。
50回目の記念大会を、デビューしたての21歳が盛り上げている。