また、史上初のアマ、プロ同一年優勝へ。
再び数々の偉業をかけて、最終日最終組に挑む。
3日目のギャラリーは、1万飛んで67人を記録。
先月の日米「ZOZOチャンピオンシップ」最終日の1万186人にも匹敵する動員数である。
また、1万人越えは10573人を記録した2018年の「日本オープン」最終日以来。
デビューしたての21歳が、大観衆の前で猛スピードの急成長を披露した。
2打差の2位タイから出たこの日の1番では「ドライバーが捕まっていなかった」と、ティショットを右バンカーへ。
さらに2打目を左の奥にこぼして、乗せきれずに4オン1パット。ボギー先行に、「逃げ球を打っている」と、素早く反省した。
ホールを重ねながら「修正した」と、即座に完了させた。
「5番ホールで捕まってくれたので、ここから行けるかな」と一気に駆け上がった。
地元兵庫でデビュー戦を迎えた先週の「マイナビABCチャンピオンシップ」は外からパターを持ったホールも含めて「3パットを10回も。パンチ気味だった」というストロークも、この日は4番で、左11メートルのバーディパットを迷いもなく沈めるなど、今週の高速グリーンに合わせてすでに調整済みだ。
たぐいまれなる修正力と高い集中力を保ちながらも、「あれほどファンサービスができる選手は直人さんだけじゃないか」と、同組の選手会副会長を見習い、ファンサービスも忘れない。
ちなみに、「今の自分があるのも直人さんのおかげ」と、同じ関西出身の中西には恩義がある。
昨年の「関西オープン」での初ラウンドをきっかけに、食事や練習に誘ってもらうようになり、6月にABEMA史上5人目(現在は7人)のアマVを飾った「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」で、主催者推薦を口利きしてくれたのが中西だった。
その後の蟬川の活躍は言うまでもなく、「今日も一緒に回りながら、直人さんには感謝で一杯」と、自身も率先してグータッチでギャラリーと触れあうなどコース外でも盛り上げに尽力してきた。
それだけに、大観衆が埋め尽くした最後18番は、「あの位置からピタっとつけて沸かせたかった」と、PWで打った143ヤードの2打目は痛恨。
「捕まりすぎた」と、乗っただけのショットとなり、「お客さんを喜ばせることができなかったのが悔しい」とイーグル逃しのバーディ締めも明日の糧だ。
16番ではギャラリーの方の指摘で、ケネディとの誤球をまぬかれる一場面もあり「言われなかったら打っていたかもしれません」と、最終日への思いと感謝も増す。
「明日はもっとお客さんが楽しんでくださるようなプレーをして、なおかつ優勝できたら最高ですね」。
最終日も最後まで、魅せるプレーにこだわるつもりだ。