今季シード復活を目指す、プロ14年目の中西直人は3月10ー11日に、岐阜県の瑞陵(ずいりょう)ゴルフ倶楽部でプロと小学生が一緒にラウンドしながら勝負を競うゴルフ大会「THE TOURNAMENT for the FUTURE~子どもたちへの贈り物~」を開催。
賞金や運営費などをクラウドファンディングでまかなう史上初のトーナメントとして昨年、発足したその第2回目。
今年も1000万円を目標達成額に設定し、2月4日からクラウドファンディングサイト「READYFOR」で寄付を呼びかけている。
ジャパンゴルフツアー選手会副会長とファンプロジェクト担当委員を兼任した昨季、スイングを壊して2018年から3季守った賞金シードを喪失。
大阪・岸和田出身のお祭り男も苦しい1年を過ごした。
ファイナルQTランク29位の資格で復活を期す今オフは、堀尾研仁さんと植村啓太さんによるプロコーチの2人体制で、スイングの立て直しと「自分ももう34歳。疲れない体作りのためのトレーニング」に懸命だ。
その合間に今年もジュニアのための大会存続を決めたのは、引き続き副会長職にも注力していくという決意表明でもある。
昨年の第1回は、目標額を78万円越える1078万円の寄付金を集めることができたが「トーナメントをひとつ開催することがどれほど大変なことか痛感しました」と、スポンサー回りなどに奔走。
サトウ食品をはじめ、協賛社のご支援もいただき無事開催にこぎつけた時の感動と、子どもたちの楽しそうな笑顔は忘れられない。
幼少期にお父さんに連れられていったトーナメント観戦で、丸山茂樹や田中秀道が、サインボールやグローブをプレゼントしてくれた時の嬉しい記憶が、自分もプロを目指した原点だ。
「これからも、プロゴルファーが子どもたちの憧れの職業であり続けるためにも、この大会を開きたいと考えました」と、改めて発足の動機を語る。
大会は、今年も2日間で行われ、3月10日がクラウドファンディングの返礼品(30万円コース)のひとつにもなっているプロアマ大会で、翌11日が、プロがジュニアと回りながら賞金を争う本戦。
「試合中のプロとラウンドするという、子どもたちにとっての夢の企画です。今年もプロゴルファーの凄さを体感してもらうと共に、ファンの皆さまにも心から楽しんでいただける大会になるように、必ず成功させたいと思っています」と、準備に余念がない。
「いずれは大会のレギュラー昇格を目指して、昨年より出場プロも、参加ジュニア数も増やして規模を拡大して実施したいと思っています」と、今年も多くの賛同を呼びかける。
「今は、すごく若手が台頭してきてツアーのレベルも上がった上に、強くて人柄も良いという非常に魅力のある選手たちがたくさん出てきました。大会を通じてそれを広く伝えていくことも、僕の使命と思っています」と、昨年大会は中西のオファーで10人のプロが参戦。
“初代覇者”に輝いた比嘉一貴は、その年の賞金王に就いた。
世界に活躍の場を広げた今年は、早々から米ツアーや賞金王の資格で出場権を獲得した欧州・DPワールドツアーに参戦。
また4月のマスターズの出場も決まり、今オフは特に慌ただしく飛び回るが、その中で3月18日には地元沖縄県のかねひで喜瀬カントリークラブで自身の冠ジュニア大会「第1回 比嘉一貴 invitational ジュニアゴルフカップ」を開催するという。
賞金王もまた、未来を夢見る子どもたちのために今オフひと肌脱ぐ。
熱い思いは確かに引き継がれていく。
※中西直人が主催するジュニアのためのゴルフ大会「THE TOURNAMENT for the FUTURE~子どもたちへの贈り物~」の詳細はクラウドファンディングサイト「READYFOR」をご参照ください。