競技は各20人、計40人が男女ペアとなり、各自のボールをプレー。良いほうを各ホールのチームスコアとする「フォアボール形式」で競われたが、シーズン中も互いを鼓舞し、励まし合う仲良しきょうだいは、前日のペア抽選会から息ぴったりだった。
「ボックスの中は何も見えなかったので、ガチの抽選会です」とは力。
それだけに、姉の結さんとのペアを引き当てた時には「本当に言葉が出なくて固まっちゃいました」と、脅威のくじ運を生かして、いざ本番でもスタートの1番でいきなりイーグルを奪うなど、強い絆を存分にアピールした。
他19組は、初対面同士というペアがほとんどという中で、「気を遣ったりがあったと思うんですけど、僕らは迷惑かけてもいいやと思ったし、お互いに1ミリもなかった」と、話す分だけ2人で大胆に攻めまくって「63」。
2位チームの木下稜介&福田真未プロ組を1差で振り切る10アンダーで勝ちきり「やっぱり、持ってる男は違うのかな…」と、嬉しそうに高笑いだ。
でも、「私は少しは気を遣っていましたよ」とは姉の結さんだ。
「迷惑かけたくないですし、女子はシーズンインなので、ヘマしているゴルフを見せたくないと思っていました」と、渾身のプレー。
弟の超・豪打にも、もっとも身近なはずの結さんが「マジで飛ぶ!」と、もっとも仰天。
「練ランとか、プライベートはアップもしてないし、ちょこっと打つから全然飛ばない。いつもよりリアルで50ヤードくらい違ってて、それなのに曲がらないので感心と、アプローチもすごい上手なので安心して見れた。すべてが上手くなったと思いました」と、ルーキー年の昨季、結さんの1勝を一気に抜く年間2勝を挙げた弟の成長ぶりを実感していた。
男女が同舞台で戦う機会として、毎年末恒例の「日立3ツアーズ選手権」があるが、それは3団体の対抗戦。
男女がペアを組んで競うという好機はめったになく、今回のペアマッチはどの選手にとっても良い刺激になったようだ。
7アンダーの4位タイに入った地元・沖縄出身の宮里優作は、「僕は宮里藍しか知らないので」と、偉大な妹を引き合いに、「本当に安定感がありますし、女子のレベルがすごく上がっているなと思いました」と、ペアの吉田優利プロにも感心しきり。
「自分のウィークポイントは、たくさんありますけど、今年もやれることをしっかりやって、僕ももう古株になってきたので、1年間安定して戦える体作りをしていきたいです」と、42歳にとっても刺激の多い1日だった。
また、大里桃子プロとのペアで6アンダーの9位タイに入った石川遼は、「今回、大里プロと回って来週の女子の開幕が本当に楽しみになりました」と、次週2日に開幕するJLPGAツアー「ダイキンオーキッドレディス」にがぜん注目。
この日は大風だったそうだが「大里プロは、距離感の合わせ方が凄い。僕は、難しいコンディションで最後までショットのクォリティを保つことができなかった…」と、貢献しそこねがっくりだ。
「僕らはあと1ヶ月。最後の2週間でボールを打ったり、本格的にラウンドを始めようかなと思っていますけど、それに向けて今日の実戦で得られることがありました」と、自身は3月30日ー4月2日の男子ゴルフの開幕戦「東建ホームメイトカップ(東建多度CC・名古屋)」に熱い視線を向けるにも十分の1日となった。
なお、ゴルフの活性化とゴルフによる社会貢献を目的に行われた本大会は、賞金の10%ほか、ギャラリー入場料の一部とチャリティーグッズ販売の収益を「沖縄子どもの未来県民会議」「恩納村奨学基金」「恩納村サンゴのむらづくり応援基金」に加えて、このたびの「トルコ大地震」に寄付されます。