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ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 2023

欧州・日本、どっちが勝つか。大会を支えるスタッフさんも戦いの日々

試合は欧州・日本、どっちが勝つか。
バチバチの戦いが幕開けしたが、大会成功のためには両ツアーの話し合いと調和が肝要だ。


大会本部は欧州・日本のスタッフが入り乱れて、外国語が飛び交う。
そんな中、セントアンドリュース育ちの“農学者”が架け橋となっている。


大会主催の欧州・DPワールドツアーで「コースセッティングアグロノミー(農科学)」の肩書きを持つエディー・アダムスさんが、今大会のフィールド作りを統括。

帝王ジャック・ニクラウスの設計として名高いPGM石岡ゴルフクラブ(茨城県)に、心血を注いできた。

昨年11月に、トーナメントディレクターのミゲル氏と視察に来たときから「大会を開催するのにふさわしいコース。レイアウトやポテンシャル、クオリティや美しい景観、・・・どれをとっても申し分ない」と、一目惚れ。


ただ、来日時は寒さ厳しい冬の折。
「ラフやフェアウェイなど、4月までに満足な成長が見込めるのか」との懸念があったそうだがその後、コースとリモートでの密なやりとりが始まると、杞憂に終わった。


母国スコットランドの「エルムウッドカレッジ」で、当時としては専攻する学生がほとんどいなかった「芝マネジメント学」に没頭し、2年の修士課程を経て、1985年にセントアンドリュースに就職。

グリーンキーパーとして従事し「全英オープン」や「ダンヒルカップ」など、超がつく国際的なビッグイベントの数々を手がけてきたアダムスさん。


2005年に、欧州ツアーがその手腕をヘッドハンティング。
農科学からの見地と合わせて、国際舞台の経験で培われたメンテナンス術は、時に重箱の隅を針でつつくように精密、かつ緻密である。

「私は嫌らしいほど細かい人間なので」と、苦笑し、「コースのみなさんに相当、嫌な思いをさせるだろう、と心配していたのですが。マツモトさんは私以上に細かい人でした」と、アダムスさんさえ脱帽させたのが、PGM石岡ゴルフクラブのグリーンキーパー、松本竜太さんだ。


アダムスさんとマツモトさん。欧州・日本で育まれた友情。繊細仲間です


「確かにそこまで言うのか、と。内心びっくりはしました」と、松本さんが言うのは、アダムさんの「全グリーンの標準化」へのこだわり。


「グリーンは人間と同じで、それぞれの性質を持ち、その場のお天気や環境に左右されるが、その中でも我々は断固として均一を目指す」と、練習場も含めて、大会で使用する全グリーンの数値に寸分の誤差も認めないアダムスさんの姿勢は、「今まで、出会ったことがなかったもの」と、松本さんを驚かせたが、「準備はできています」。
アダムスさん以上の細やかさで対応。


日々のカップ切りは女性のスタッフさんが担当されるそうです。繊細な舞台作りはこんなところにも


刈り高や、機械を入れる回数など、開催直前まで寝る間も惜しまず挑戦と試行錯誤を重ねてきた。

そのおかげで、たとえば予選ラウンドで、午前と午後にスタートが分かれた大会ではどうしても、経過につれてグリーンの損傷は免れず、「不公平感」は避けられないが、「今週は、選手たちもほとんど意見は言えないはず」と、アダムスさん。


松本さんいわく、アダムスさんはバンカーの仕上げにも相当、こだわりがあるそうです。期待以上に応える石岡のスタッフさんたち


「マツモトさんをはじめ、コーススタッフのみなさんの対応能力には感心させられてばかり。さまざまなトーナメントを経験してきましたが、マツモトさんたちとの出会いがまたひとつ、私を大きく成長させてくれたと確信しています」(アダムスさん)。

2人の熱い思いがしみこむPGM石岡ゴルフクラブで、欧州・日本、どっちが勝つか。
きょうも両ツアーでしのぎを削る。