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JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI 2023

ゴルフができている幸せを噛み締めて!前粟藏俊太が充実の2位タイ発進

昨年は7年ぶりにファイナルQTに進出し、今年久々にツアーの舞台に戻ってきた前粟藏俊太。この日は6バーディ、1ダブルボギーの4アンダー66をマークし、首位と2打差の2位タイにつけた。

 

「正直今週のコースは得意ではないんですが、我慢して耐えながらプレーした結果、パットが入ってくれてこのスコアになったのかなと思います」。

日本ジュニアの連覇など輝かしい戦績を残してプロ転向した前粟藏だが、2016年に突然ドライバーイップスに襲われる。ドライバーを持つと反応が出る。それでも試合には出なければならない。そこから苦しい時期が長く続くことになる。イップスという事実を受け入れることにも時間がかかったと振り返るが、今は徐々に考え方が変わってきたと言う。

「オフに桑原克典さんの合宿に参加させてもらって、体や脳の反応について勉強させてもらっているので、それを頭に入れながら、できないことはやらない、できることを一生懸命やるということを積み重ねて、今はその反応に歯向かわないように心がけています」。

欲を出さずに、その反応の上手く付き合う。言葉にするのは簡単なことだが、実践するには想像を超える努力が必要になる。ただ、イップスになったからこそゴルフができていることの幸せを感じられていると前粟藏は言う。

久々のツアーの舞台で、しかも好スタートを切った今週だが、それでも欲を出さずに、できることをやるだけと前粟藏。泥臭く、どんな形でもいいから最終日にプレーできるように頑張りたいと話す表情はとても晴れやかだった。