記事

Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 2023

今年もジュニアが躍動中。外岩戸晟士=ほかいわど・せいじさん、15歳の夏

昨年覇者の河本も、現在賞金2位の金谷も、昨季賞金王の比嘉も、みんなかつての“出身者”。

2007年に石川遼が、史上最年少の15歳で優勝した快挙も実は本大会主催の九州朝日放送が、系列各社と連携して発足した「ジュニア育成プロジェクト」の一環から生まれたものだった。


今年は、6人のジュニアが挑戦。
第2ラウンドを終えて、通算3アンダーの48位タイにつけた日章学園高校3年の丸尾怜央(まるお・れお)さんと、通算2アンダーの61位タイの外岩戸晟士 (ほかいわど・せいじ)さんが決勝ラウンドに進出した。


出場アマ最年少。外岩戸(ほかいわど)さんはなんといっても希少な名前が目を引く。



まだ15歳だが、日課のランニングと週2度1500メートル泳ぐという水泳と、朝夜5合のごはんで形成した胸板と両腕が貫禄たっぷり。

でも、首位と3差の4アンダーで回った初日は「僕がここにいていいのかな・・・」と初々しく、「ジュニアの世界では飛ぶ方」と自負する飛距離も「プロの中では差を感じます」と、初舞台で謙虚に実感。


7月の「九州ジュニア」を制して出場機会を得た初めてのプロツアーは、常に音楽が鳴り止まない異例の試合。

スタート時の紹介曲に、ビーグルクルーさんの「my HERO」をチョイスし、「緊張や不安があったけど、音楽がいい感じで流れていて和らいだ」と、力に変える。


ご家族の影響で3歳からゴルフを始め、小5でプロになると目標を決め、次週は早ファーストからQTに挑戦する。

庭に父・市郎さんお手製の広大な練習場が広がる鹿児島県志布志市にある家が“本宅”だが、間近のプロ転向を見据えて、このほど宮崎・フェニックスカントリークラブから、歩いて5分のところに“別宅”が完成したばかり。


14位タイから出た2日目は、「練習場で良かっただけに、行けるかな・・・」と、意気込んだばかりに4バーディに対してボギーは6つと乱れて最後9番も、2メートルを逃して3パット。

予選通過も怪しい通算2アンダーのフィニッシュに、「40点です」と肩が落ちたが、辛くもライン上で決勝へ。


プレー直後に「もし通れたら、僕は一番下の立場。ひとつでもバーディ獲って、上に行けるよう頑張りたいです」と、話していた。
忘れられない15歳の夏になる。