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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2002
「本日の、サンタクロース」
今季最後のヒーローインタビューで、たった一言。
「ありがとうございました!」
深々と頭をさげた片山から、感謝の気持ちが、溢れていた。
キラキラと光る豆電球に飾られた、白たすきには『本日のサンタクロース』の文字。
ツアー通算12勝目は、“晋呉サンタ”からの贈り物だ。
そのたすきを徹夜で仕上げて盛り上げてくれたマネージャーの金魚潤一郎さんをはじめ、この1年バッグを担いで支えてくれた坂詰和久さん、
日大4年時から指導を受けるコーチの江連忠プロ、
トレーナーの桑名先生、
前日、片山の優勝を確信して夜中2時間かけて祝賀パーティの仕込みを済ませてコースにかけつけてくれた母・節子さんとみち代夫人、
天国の父・太平さん、
そのほか、数え切れない恩人と、
「何より、いつも大声援をくださるギャラリーのみなさんへ…」
片山にとっては、『勝つ』ことだけが、何よりの恩返し。
喜びは、絶対に、独り占めしないのだ。
それは、稼いだ賞金についても同じ。
昨年も、米国同時多発テロで被害に遭われた遺族の方々や、地元・茨城県の福祉施設で恵まれない生活を送る子供たちへの、チャリティ金に当てている。
「今年も、何かの形で、プレゼントをあげるつもりです」
今大会終了後、来年3月出場予定の欧州ツアー『ドバイデザートクラシック』まで、いっさいクラブを握らず、“完全休業”に入る“晋呉サンタ”が、ひと仕事終えて、今度は、“イブ”の準備を始めている。