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太平洋クラブチャレンジトーナメント 2024

プロ15年目の北村晃一がやっとやっとの思いで初優勝をゲット!

埼玉県の太平洋クラブ・江南コースを舞台に行われた第10回『太平洋クラブチャレンジトーナメント』のファイナルラウンド。早朝より降り続いた雨の影響でスタートが遅れたものの、そんなイレギュラーに翻弄されることなく、見事な勝ちっぷりを披露したのはプロ15年目の北村晃一だ。

 

首位とは1打差の2位タイからスタートした北村。前日は自分には期待をせず、淡々とプレーすると話していたが、同じ最終組の吉本翔雄が1番でバーディを奪いガッツポーズを見せたことで火がついた。終わってみればボギーフリーの6アンダー66。通算14アンダーの見事な逆転劇だった。

 

この日の北村は常に冷静だった。これまで何度もレギュラーツアー、ABEMAツアー含めて優勝のチャンスがありながら、勝ちきれなかった。その要因をプレーが速くなることだと自分なりに分析している。

「落ち着いてやろうと思ってもなかなかできることではないので、ゆっくり歩いたり、ゆっくり動いたり、行動をゆっくりすることでプレーが速くならないように心がけていました。それを昨晩思いついたんです(笑)」。

 

高校時代は野球に打ち込み、甲子園に2度出場している。その高いポテンシャルを活かして、22歳で始めたゴルフでも一気に才能を開花させた。ゴルフを始めてわずか2年でプロテストに合格。ツアー優勝も時間の問題と言われてきたが、本人も「時間がかかり過ぎましたね」と言うように、今回はやっとの思いで優勝を手にすることができた。

 

ABEMAツアーの最終日によくあるパターンが、最終組の選手が伸ばせずに混戦、もしくは逆転されることが多々ある。ただ、この日の北村は獲るべきホールできっちりスコアを伸ばし、接戦ではあったものの、盤石の勝ちっぷりと言える勝ち方だった。

40歳を目前にしての初優勝。一般的には遅咲きと言われる年齢だが、北村は年齢は気にしていないと言う。22歳でゴルフを始めて、ゴルフ歴で言えばやっと17年。「体さえしっかり作れていれば、年齢は関係ないと思っています」と言う言葉から、今の充実度が窺える。

レギュラーツアーへの復帰とレギュラーツアーでの優勝、そしてその先にはゴルフを始めた頃からの目標だった日本シリーズへ出場するという夢がある。

優勝スピーチでの大会関係者に感謝を伝える姿は、何勝目のスピーチ?と思わせるほどの落ち着き様で、北村の明るいキャラクターが存分に表現された見事なスピーチだった。