通算4回目の最終日最終組で細野が狙うのは、1991年の羽川豊氏以来となる、レフティVだ。
3日目は、14番で3オン⇒カラーからの3パットのダブルボギーを叩いて後退したが「逆にそれがエンジンになった」と、ティが前に設定された17番パー4で奥5メートルのワンオンイーグルを奪うと、最後18番パー5はしっかりとバーディ締め。
「優勝を目の前で見て来た先輩たちと優勝争いできるのは楽しみ。その中でよい勝負ができればいい」。
平田との差を2打に留めて、21歳での初優勝を追いかける。
蟬川は、杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)に1差で敗れた「日本プロ」に続いて2週連続10度目の最終日最終組に入った。
「また優勝を狙える位置にいれていると思うので、先週のリベンジを果たしたいという気持ちもあるが、まずはもったいないミスをしないこと」。
前日3日目は9番のボギーで萎えかけた。
「は~」と出かけた息を、寸前で吸い込んだ。
「今年は、賞金王も狙っているところで、開幕からよくないのが続ちゃったので。上ばっかり見すぎて去年より気持ちが熱い。去年のほうが落ち着けていた」。
自分への期待が大きい分だけ、落胆が激しくなるからこそ最近、決めているのは「ため息をつかなこと」。
幸せが逃げていく、との言い伝えを実感する。
「ため息をつくと、僕の場合は本当に幸運が逃げていく。統計的には~っと言った瞬間にドカンとやばい流れが結構あるのでため息をためこんで、きょうはたぶん、ゼロ回です」と、後半あがりの3連続バーディで、平田に3差と迫ることができた。
「憲聖(けんせい)は、自分と回っている時すごく良い印象があるので。自分が本当にすごく伸ばさないと勝てない」と、同学年のライバルをしっかりと射程に据えた。
史上初のアマVを含めて通算4勝とも、すべて逃げ切り優勝だった。
初の逆転Vへ。
「追う側はしっかり焦らせていかないといけない。それに匹敵するようなプレーがちゃんとできるか。勝ちたいならそこに行かないと」。
気合が入った。