講師を務めたのは末成小の大先輩である島田典哉プロ。
小学校に到着するやいなや、あちこちを懐かしく眺め、校長室でも卒業アルバムに目を通して、更に感慨深く思いを馳せた。
「あの頃は『キャプテン翼』が流行っていて、少年野球の傍ら校庭ではサッカーも楽しんでいた」と、スポーツ大好き少年は小学校時代にタイムスリップ。
そんな思いを胸に抱きながら校庭に飛び出すと、お揃いの体操服で今か今かと待ち侘びた後輩たちが拍手で迎える。
実技講習会の自己紹介で「末成小学校の卒業生です」と挨拶すると、「えー」「すごーい」との歓声があがった。
早速、フルショットを披露すると、更に大きな歓声で大歓迎の体験会がスタートした。
パット、チップショット、ピッチショット、そしてフルショットの基本指導では、手取り足取り丁寧な指導が行われた。
基礎指導の締めくくりには、代表児童とのガチンコ勝負で、じゃんけんを勝ち抜いて選ばれたりょうくんと対戦。
島田プロの一打目はフラッグをかすめるナイスショットでグリーン奥へオン。
対してりょうくんは右に大きくプッシュアウトしたものの二打目を寄せてチャンスを伺う。
島田プロの長いバーディパットは僅か手前でフックして外れたのに対し、りょうくんが無難に2パットでオマケの2打を差し引き勝利し、島田プロが用意したキャップを戦利品として獲得して、記念撮影にニコリと収まった。
島田プロのその笑顔は、まるであの頃の自分に重ねて喜んでいるようにも見えた。
続く5限目は、ホワイトボードを使っての講話で「夢を持とう」をテーマに自身の半生を語り、また、子どもたちの夢をじっくり聞いた。
幼少期は小児喘息に苦しんだが、小学校に上がると奇跡的に回復し、野球・サッカーに打ち込み、やがてプロライセンスを取得し、現在は指導活動に情熱を傾ける。
今年8月に行われた、第1回宝塚ゴルフ倶楽部杯スナッグゴルフ大会でも、子どもたちの激励に訪れ、後進の育成を温かく見守った。
「母校に訪問できて良かったです」と島田プロ。
この末成小学校にあるスナッグゴルフ用具は、2026年10月に開場100周年を迎える、宝塚ゴルフ倶楽部から寄贈されたものだ。
一般社団法人という法人格から、地域社会にゴルフで貢献しようと、市内23校全校にスナッグゴルフ用具が寄贈されている。
日本ゴルフツアー機構初代会長で、ゴルフ界に偉大な功績と戦績を残した島田幸作の想いが、今もなお宝塚で引き継がれている。