「このコースで、このスコアでよく通れたもんだわ」と、苦笑しながら馴染みのファンから、喝さいを受けていた。
今大会出場者の中で連続出場としては27年連続27回目を続ける谷口徹(たにぐち・とおる)に次ぐ、最多出場者。
最高位の3位につけた2014年を含めトップ10が4回あるが、「ないよ、ないない、そんな良い成績あるわけない」と勝手に言い切るほど、長期の記憶で曖昧になっている。
47歳。
「朝起きた時が一番絶望的。痛くてね。うーん、て感じで起きるわけでしょう。お風呂入って、ほぐして、痛み止め飲んで。気持ち的には萎えるよね」。
腰痛で、長期離脱をしたのは昨季。
それでも、賞金シードを確保(ランク68位)したが、この1月には首のヘルニアを発症。
練習できないままシーズンを迎えた今季は、今度、夏に右肘痛が出て、またしばらくお休みしていた。
「資格があるから、出させていただくけど、毎日治療だけやって。練習はできないし」と、今週もぶっつけ本番だ。
「どんどん下手になって、ちょっとずつダメになっていってメンタルやられるわ、なんやら。年取ったらね、当たり前に。こういうのでみんな悪い流れにハマっていくんだな」と、ぼやきながらも、2日目は3度のチップイン。
「12番は林行っちゃってセカンド出して、3打目乗らずチップインパー。恥ずかしいやつw」。
左のカラーから入れた17番と、3番では右バンカーから入れてバーディ。
「さすがにまだアプローチとパターは生きてるから。ショットはぐちゃぐちゃなんだけど。なんとかスコアにできたかな」。
ベテランの自負がにじんだ。
初日も、2日目も、たまたま歴代覇者(2000年)で、永久シード選手(通算31勝)の片山晋呉(かたやま・しんご)と、練習場で前後の打席になり話し込んだ。
「近(こん)ちゃん、オフは軽いシャフトで振ったほうがいいよ、とか。技術は違うんだけど、そういうアドバイスを聞くだけでもありがたい」と、感謝しながらコースで奮闘。
「簡単に予選落ちするイメージしか出なくて通ればラッキー。まっすぐ行ったらラッキーで、打てるところにあればいい。そう思いながら、4日間やりたい気持ちは当然あって。たまたまスコア出たけど内容的にはよくこのコースで回ったわ、という内容」と、苦笑する。
現在賞金ランキングは82位。
上位65人の賞金シードはとうに諦めていて、来季は自身3度目となる「生涯獲得賞金25位内」の資格を行使すると決めている。
同資格は1回1年限りだが、その後、賞金シードに復活し、なおかつ同25位内を保っていれば、再び適用が可能だ。
プロ転向の翌年2001年から守り続けてきた賞金シードを最初に手放した17年も、19年も、そのたびに同資格を使って復活を果たしてきたが、出場枠が少ない本大会に限っては例年、当資格者まで権利が繰り下がってくると保障はされず、今年、小田孔明(おだ・こうめい)が本資格で滑り込めたのも、数人の若手が同週の海外ツアーへの出場を決めたからで、「来年は無理かもしれない。だから、自分は大会でこのコースを回れるのは、今年で最後になるかもしれない」と、近藤は思っている。
「でも、けっしてネガティブな発言ではなくて。出れるのは当たり前じゃないぞ、という気持ち。もちろん、できるだけ1年でも長くいられるように努力しながら、今この場にいられることを噛み締めながら回りたいな、と思っています」。
土日も踏みしめながら歩く。
📺中継スケジュール
◆11月16日 09:00~13:30 CS放送GAORA SPORTS(スタートH〜9H LIVE)
◆11月16日 14:00~15:50 MBS発JNN24局ネット (LIVE)