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星野陸也が渡米前に地元でゴルフ伝道師に

ちょうど1年前の12月初旬、オーストラリア・シドニーで行われた「ISPS HANDAオーストラリアオープン」に出場していた星野陸也を取材していた時、同国出身のスター選手であるミンウ・リーと最終日最終組で優勝争いをしていたからなのか分からないが、現地の子供たちからの人気が高く、囲まれながらサインやボールを求められていた。

 


その1年後、久々に彼に会うと今度は地元の小学生たちに囲まれていた。



 

2009年から始まったジャパンゴルフツアー選手会が交代で「ゴルフ伝道活動」として、ゴルフの楽しさ、素晴らしさを伝えて歩く旅も今回で84人目。

 

今回ゴルフ伝道を担当したのは、今季DPワールドツアーのポイントランキングで16位に入り、来季からはPGAツアーを主戦場とする星野陸也だ。

 

星野が訪れたのは、つい先日行われた第21回スナッグゴルフ全国大会優勝校でもあり、星野が4年生まで在籍していた北川根小学校(茨城県・笠間市)






まずは5限目を活用して行われた「スナッグゴルフ実技講習会」では、「早口対決」や「いつ・どこで・だれがゲーム」などのレクレーションを絡めながら、スナッグゴルフを体験。





同じ小学校に通い、五輪にも出場した選手を前に子供たちは大興奮。

星野がランチャーと呼ばれるクラブで球を打つ際には、子供たちからの「バスケットゴールに当ててほしい」というリクエストにも見事に応え、スナッグゴルフでもショットの精度の高さを見せつけた。

 

 



「夢を持とう」と題した6限目の講演会では、「ゴルフを始めたキッカケ」「中学校は卓球部」「高校性で本格的にゴルフを始めた」「プロ初優勝に家族が来てくれて嬉しかった」等、小学校から現在までの人生のターニングポイントを話してくれた。

 

講演会の冒頭では、今季DPツアーで初優勝した「コマーシャルバンク カタールマスターズ」の優勝を決めたシーンの映像を子供たちと観戦。

最終18番ホールでグリーンに向かって歩いているシーンが映し出されると、「全身が震えるくらい緊張していました」と貴重なこぼれ話も披露。



 

北川根小学校では昨日マラソン大会が行われたようで、同校に通っていた星野も「僕はずっと2位で、1位は一度も獲れなかった」という親近感がわくようなエピソードも話してくれた。

 

 

最後の質問コーナーでは、たくさんの子供たちから手が挙がり、多くの子供たちが疑問に思っていたであろう「身長は何センチですか?」という質問をはじめ、「好きな食べ物は?」、「ゴルフがどうやったら上手くなりますか?」「2025年の目標は?」など多くの質問が飛び交った。



 

星野が講演会の最後に子供たちに話したのは、「夢も大事だけど目標をクリアすることも大事」そして、中学の時の先生から教えてもらった「3C」という言葉。

 

Chance」「Challenge」「Change

 

「チャレンジして失敗しても勉強になって、次もう1回チャレンジすれば成功してチェンジになる」。

 

星野自身が国内ツアーからDPツアーへ、そして今年ようやくDPツアーからPGAツアーの出場権を手に入れたように夢の舞台でプレーするために1つずつステップを踏んできたからこそ、その言葉には重みがある。



 

星野のPGAツアー初陣は1か月後に行われる「ソニーオープン」。

 

「純粋な子供たちの笑顔で僕も自然に笑顔になりました。最後に(子供たち全員で)歌ってくれた校歌には涙が出そうになりました。PGAツアーでの優勝は目標ですけど、まずは目の前の目標をクリアしていって1試合1試合研究しながらやっていきたいと思います」。

 

束の間のオフにもらった子供たちからのパワーを糧に、自身の力で手に入れたチャンスでPGAツアーでのチャレンジを誓った。



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