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日本プロゴルフ選手権大会 2001
「できれば10打差大逆転」
愛娘の淑乃ちゃんを抱いて、牧坂が目をシロクロさせる。
「なんでこんなに上がっていくん!?って感じ。まじですか!?」
牧坂が、この日イーブンパーの71。通算4オーバー11位タイでホールアウトしたのは、最終組の2時間以上も前。
それから、食事を取ったり、打ち込み・パッティング練習に時間を費やしているうちに、牧坂の順位は急上昇。
硬いグリーンに、上位陣が次々にスコアを落として、この日、応援にかけつけてくれた淑乃ちゃんと帰途につくころには、あっという間にトップ5入りしてしまったのだ。
「う〜ん…まあ、多少は上がるだろうなあ、とは思ったけど、こんなに上に来られるなんてねえ…」
地の利がある。
PGAのプロテスト合格後、シードを取るまでの下積み時代に過ごしたのがここ、クイーンズヒルGC。
もちろん、伝統あるこの大会にむけてセッティングされたコースは、当時とは、比べ物にならないくらい手ごわくなっているが、それでも、「ピン位置とかを見て、どこに落としたらいけない、とか、どのルートが攻めやすいとかは頭に入っているから」と話す。
この日は、15番パー4で、残り180ヤードの第2打。「左足下がりの前下がり」というライから、5番アイアンで1.5メートルにつけ、バーディ。
「ここで、流れが変わりました」と、難易度の高い続く2ホールをパーでしのぎ、ラスト18番は、30ヤードのアプローチを、チップインバーディ。
家族の前での最高の締めくくりに、「今日のパープレーは上出来です」と充実感を漂わせた牧坂パパ。
首位とは10打差もあるが、「目標はアンダーパー。ひょっとすると、大逆転も…」と、最終日は、地元での初Vをも視野に戦うつもりだ。