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アコムインターナショナル 2002
「悪いときも、スコアを作れるゴルフを」
ホールアウト後、クラブハウスから練習場に向かうわずかな時間に、いったい何人の選手が、こう話しかけてきただろう。
『今日はどうだった』
『一発で、入れられた?』
「朝は朝で、“今週、また入れろよ”とか、ずっとこんな調子で」と苦笑いの菊池。
先週と先々週で、2週連続のエースを達成した。
しかも、どちらも得意の7アイアン、曜日も同じ金曜日の16番ホールという、ミラクル2ショットだった。
今週はあいにく、7アイアンで届きそうなパー3がなく、「無理ですよ」と、本人にその気はないが、この日17番のパー3で、万一を想定し数人のカメラマンが待機していたりと、周囲の期待は、予想外に大きかったようだ。
ところで、この2週連続の快挙で注目を浴びてからというもの、菊池のゴルフが、一皮向けた。
初日に好スタートを切っても、4日目には息切れしていたのが、先週は、中嶋、伊沢のビッグネームに挟まれてのラウンドにも気後れすることなく、4位タイに食い込み健闘。
「ショット自体は、僕のゴルフ人生でいちばん曲がっているし、当たりも悪くて、250ヤードくらいしか飛んでないのに、なぜかスコアがいいんですよねえ…」
これについて菊池は、「調子が悪くても、打たないゴルフを、俺も覚えられたのかなあ・・・」と自己分析した。
「たとえば、シードの上のほうの人が、そうでしょう。状態が悪くても、上位で耐えるゴルフができる…。調子が良いときに、良いスコアが出せるのは、当たり前。問題は、調子が悪いときです。きれいなゴルフだけが、ゴルフじゃない。ショットが悪いときでも今日みたいに小技でしのぎまくるとか、どんな手段でもスコアを作れるのが、本物だと気が付いて。最近、そんなゴルフが自分にも出来るようになったみたいですね」
今季獲得賞金が1300万円を超え、初シードの当確ランプも、点灯を始めた。
覚えたての“粘るゴルフ”で、最終日もこのまま上位で駆け込みたい。