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三井住友VISA太平洋マスターズ 2005

加瀬秀樹「並んで、最後に俺が突き抜ける」

前夜の雨が、微妙に感覚を狂わせた。スタートの前の練習グリーン。「多少ウェットになって、重くなったかな」と感じたが、実際はそれほど大きな違いでもない。

「あまり気にしないでやろうとしたけれど・・・。体が勝手に反応しちゃったよ」。

2番で13メートルのバーディパットを、2メートルオーバーさせて3パット。
このボギーを踏まえて加減した5番パー4は、エッジから15メートルのバーディパットを1.5メートルもショートさせて、またしても3パットを打った。

前日、長い距離を入れまくったパッティングは一転、影をひそめた。

前半に出遅れた分、ディフェンディングチャンピオンに追いつかれたが、「予想したとおりの展開」と本人に焦りはない。
むしろ、連覇がかかった世界ランカーを「やっつけたい」と、やる気満々。

最終日のイメージは、今年の天皇賞馬の“ヘヴンリーロマンス”だ。
所属契約先アイテックの前田幸治・社長が所有する競走馬は、そのとき一番人気のゼンノロブロイをおさえて14番人気からみごと優勝をさらった。

「ほら、だからちょうどクラークが、ゼンノロブロイ。で、並んで最後に俺が突き抜けるんだ」。
なるか?! 自身初の完全優勝。
自ら“大穴狙い”を宣言する、45歳の鼻息が荒い。

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