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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2001

「V争いより、そっちのほうが緊張しました」

宮本勝昌は、きゅうきょ応援にかけつけた師匠に感謝感激

 V争いよりも、宮本のプレッシャーを誘ったのは、師匠の芹澤信雄の存在だった。
 前日のテレビ中継で見た“弟子”のプレーが「あまりにもセコイ」と怒った芹澤は、いてもたってもいられずに、最終日、静岡御殿場の自宅からきゅうきょ会場に駆けつけたのだった。
 スタート前の練習で、「いったい何を練習したらいいのか」とパニック気味の宮本には「もっと思い切ってフォロースルーを取っていけ」とアドバイス。
 「テレビで見たとき、いつもの彼の悪いクセで、曲がるのを怖がって、スィングが小さくなっていると思ったんです。今までも、何度も注意してきたのに、あいつは、すぐ忘れて元に戻ってしまう。言えば、ちゃんとできる力は、あるんだけどねえ・・・(苦笑)」(芹澤)

 一方、宮本のほうはといえば、朝のアドバイスにとどまらず、とうとう、18ホールついてプレーを見守ってくれた芹澤に、恐縮しきりだ。
 「師匠が、プライベートな時間を割いて、応援してくれるなんて、めったにあることじゃない。今はすごく感動してますけど、ラウンド中は、たまに芹澤さんの顔が見えたりすると、なんだか、そっちのほうが緊張してしまって・・・(苦笑)」

 賞金王・伊沢のスウィングに感動し、「いつか、近づきたい」とする宮本について、芹澤は「今の宮本は、伊沢の半分も及ばない」と厳しい判断を下したが、「しかし、もう一皮むければ、いずれ伊沢とタメをはれる力もある」と、その潜在能力も、高く評価した。
 「彼の飛距離は半端じゃない。あいつには、賞金王も取れるだけの力がある。でも、そのためには、もっと責任感を持ってやってもらわないとね(笑)。師匠としては、いずれはマスターズにも行ってほしい。そのときは、僕がバッグを担ぎますけど(笑)」(芹澤)
 饒舌に語るその様子からも、芹澤の弟子にかける、期待の大きさが伺えた。

 「調子が悪い」と訴えながらも、Vをさらった弟子の逆転Vにも目を細めて、「今回の優勝は、彼にとって大きな1勝。目の前で優勝シーンを見せてもらって、本当に嬉しいよ」と芹澤。18番ホールでは張り切って、チャンピオンの胴上げを仕切っていた。

写真 = 芹澤はじめ藤田寛之、キャディの島中さんなど、気のおけない仲間たちに、胴上げされた宮本。「朝、芹澤さんに『気合を入れていけよ!』と激を飛ばされました。師匠の応援、ほんとうに感動しましたよ!!」

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