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日本プロゴルフ選手権大会 2005

3試合連続Vを狙う尾崎直道「思い出深いこの大会で、2回目を取りたい」

総距離7018ヤード。第73回日本プロゴルフ選手権大会会場の玉名カントリークラブは、距離こそさほどないものの、飛距離を求めるほどに、リスクが大きくなるコースでもある。

ラフの芝目が強く、飛距離の計算がしずらいために、ティショットは手堅くフェアウェーをキープして、次のアイアンショットで果敢に攻めるのが理想だ。
それだけに、直道のようなプレースタイルの選手に有利なセッティング、というのが周囲の一致した意見。
「3試合連続優勝も、十分狙える」という評判が早くも立っているが、当の本人は苦笑いで首をかしげた。

「・・・そんな、簡単にいくもんじゃないよ」。

開幕前日のこの日11日(水)に18ホールをこなした印象では、見た目ほど、一筋縄ではいかないコースだと感じた。
何より、ラフの先に待ち受けるグリーンは小さくて硬い。「フェアウェーも、見た目ほど広くない。自分向きだという人もいるけれど、いったい、どう攻めていいのやら。アイディアが出づらいんだよ」と、否定的な感想を言いつつも、内心は意欲満々だ。

大会本部によると、前売りチケットはすでに2万枚が完売している。週末には、地元ファンがコースを埋め尽くすだろう。
多くのギャラリーが、直道の3試合連続Ⅴを待ち望んでいることは、容易に予想できる。
今週は、隣県の福岡で女子のヴァーナルレディース(福岡センチュリーGC)も開催される。
人気の女子ツアーに負けない、話題作りに一役買いたい気持ちもある。

「初日の段階で、『もうだめだ・・・』じゃなくね。せめて3日目まで楽しみは、取っておきたい。そういう気持ちはありますよ」。

2週連続Vを達成した前回の中日クラウンズでは、その週の月曜日にさっぱりと頭を刈り込んで、「別の自分に生まれ変わって」コース入りした。
今回は、オープンウィークだった1週間を、完全に家族サービスに当てて、リフレッシュ。
週末は家族4人でラウンドを楽しみ、ウィークデーには、次男・惇哉君と2人で京都の寺めぐり。“清水の舞台”も見下ろしてきた。
「今週は、この難しいグリーンで“清水の舞台から飛び降りる”つもりで思い切り打つ・・・。それをテーマにやってみようかな、どう?(笑)」。

今大会は、99年大会(GCツインフィールズ)で、2位に兄・将司、3位に次兄の健夫を従えて1勝をあげている。「思い出深い大会で、ぜひ2回目が取りたい。できれば、2位、3位にジャンボ、ジェットと続けばいい! ・・・ただし、2人が俺について来られるかどうかが心配だけれど」と、平然と言って余裕の笑み。

初日と2日目は、そのジャンボとのティオフだ。
「2人で、よいゴルフがしたい」。
さまざまな思いを乗せて、ジョー尾崎がツアー史上4人目(5回目)の快挙達成にトライする。

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