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BMWチャレンジカップ 2007
優勝した鈴木一徳「父が守ってくれてるんだと思います」
オフシーズンは整体で治療するものの回復の兆しがなかった。今も痛みがあって痛み止め薬を飲んでいる。
特に酷くなったのは今年の1月。
動けないどころか立てないまで症状は悪化し、入院する事になった。
そうこうしている内に、ゴルフに影響が出始めた。
体のバランスが崩れ、上手く球が飛ばなくなった。
自分でも気づいていたが、『SRIXONチャレンジ』でティショットを後ろから見ている萩原浩一に言われた。スイングを1度見ただけでの指摘。
「どこか痛いのか?アドレスがいつもと同じじゃないよ。狂ってるよ。」
以前のアドレスのイメージを常に持ち、少しずつ修正していった。
やっと良いゴルフができるようになり、調子が戻ってきた。
『シンクスNovilカップ』では現地ウェイティングしたものの、順位が降りてこずにとんぼ返り。
今週にかける思いは強かった。
単独首位で終えた昨夜、1本の電話が入った。
父親からだった。
「頑張れよ。明日見に行くから。」
埼玉から急遽駆けつけてくれた。
2002年にローカル競技の埼玉オープンを制した時も、父親が見に来てくれた。験(げん)を担ぐわけではないが、今日も優勝してあの時の再現になった。
「父が守ってくれてるんだと思います。」
今回の優勝には、副賞としてBMWの試乗権が付いている。先日、父親に中古のクラウンをプレゼントしたばっかりだった。
「買わないで待ってれば良かったですね。まぁ、そんなもんですよね。」と苦笑い。
こういう冗談も優勝できたからこそだ。
贅沢な悩みはつきない。
今回の優勝で出場資格を得た『ブリヂストンオープン』。ツアーへの憧れも強く、そういう華やかな舞台で戦ってみたい。ただ、同じ日程でチャレンジトーナメント最終戦『PRGR CUP FINAL』も開催される。
今年は昨年よりもQT(クォリファイングトーナメント)の出場優先順位が上だったが、なかなか試合に出れない事が多かった。少しでも順位をあげて出場機会を多くしたいと思っている。
どっちにエントリーするかは決まっていないが、「今年はチャレンジに専念したい。チャレンジの方に行くかも知れません。」
いずれにしても、鈴木にとって、楽しみな1週間になるに違いない。