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日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ 2005

菊池純空振りのダブルボギーも、上がりホールで取り返して3位タイ

15番パー5で青ざめた。バンカー右のラフからのアプローチを、空振りした。
深いラフに埋もれたボールは、上から屈んで覗き込んでようやく確認できる程度で、いざアドレスを取ったらほとんどその姿は見えなくなった。
「だいたいの見当をつけて、クラブを開いて思い切り打ったら、まだボールがそこにありました・・・」。
プロ入り初の大失態。テレビ中継にもばっちりと写ってしまった。

「もうこれ以上に恥ずかしいことはない。・・・そう思ったら、あとは何も怖くなくなった」。

手前に大きな池が広がる次の16番パー3は「空振りと違って、池に入れても前には行けるし(苦笑)」と、良い意味で開き直った。
グリーンにぎりぎり届く6アイアンで、ピンをデッドに狙ってバーディを奪った。
やはり池超えの17番も、第2打を右上2メートルにつけて、これをねじこんだ。
連続バーディで、15番の2オーバーをきっちりと取り返して3位タイ。

シード3年目の今年は、覚悟がある。2児の父親となり、ローンを組んで自宅を購入した。
「だからなんとか今年もシード権を守らなくっちゃ。借金が、返せないんです!」と、笑ったあとしばらく真剣に考える顔になってつぶやいた。

「もしもね、もしもこれで勝てたら・・・。優勝賞金で、ローンがすっかり返せちゃうかも!」。
2400万円の一攫千金をひそかに狙っている。

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