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ABC チャンピオンシップゴルフトーナメント 2003

2位タイの宮本勝昌、最終日最終組は尊敬する先輩とライバルに挟まれ今季2勝目を狙う

前日までの予選ラウンドで、「自分の心の弱さ」を痛感させられた。現在、ゴルフの 調子は良いとは言 いがたく、思わぬところでポカをやる。そのたびに、自分自身にアタマが来てそれを 態度に出してしま った。
ホールアウト後も怒りはさめやらず。関係者に「お疲れ様」と声をかけられたが、そ れに答える余裕も なく、軽く一礼しただけで無言でとおりすぎてしまった。「おとなげない自分に、あ とでものすごく後悔しました」と振り返る。

それに引きかえ2日間、ともにラウンドした3歳年上の藤田寛之はどうだろう。ミスし てもほとんど表情 に出すこともなく、淡々とスコアを伸ばしていく。藤田とは、95年に師匠の芹澤信雄 を介して出会って 以来、ずっと練習をともにしてきた仲だが、本戦では、普段の練習ラウンドでは見せ ないような技も、随所で飛び出し、度肝を抜かされた。「藤田さんと回っていると、 自分の下手さと気持ちの弱さを感じて、余計に落ち込んでしまった」と宮本はいう。

藤田には、その日の夜にメールして自分のプレー態度の悪さをわびるとともに、「明 日は先輩のように 、ミスしても絶対に怒らない」と決めた。

そしてのぞんだこの日3日目、冷静な対処を心がけた甲斐あってボギーなしの64でま わって通算13アンダー、2位タイ浮上だ。

最終日は、その藤田と並んで最終組で戦う。日大時代にしのぎを削りあった同期の片 山晋呉も、2打差首位で、ともにラウンドする。

有言実行型の片山に対して、「僕は欲を出すほど失敗するタイプ」。尊敬する先輩 と、性格では正反対 のライバルに挟まれて、「明日、僕は無欲の勝利を狙いたい」と宮本。怒らず騒が ず、マイペースで、 7月のサトウ食品NST新潟オープン以来の今季2勝目を狙っていくつもりだ。

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