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アイフルカップ 2001
「陳さんは、僕には“運がないだけ”だって!」
昨年から、何度もチャンスを迎えながら、勝てなかった。
「でもね、ショットは何も悪くない。ただ、運がなかっただけなんですよ…」
と、そこまで言って林は慌てて首を振った。
「でも違う違う! これは僕の考えじゃないヨ!!」
それは今年5月、同じ台湾の陳志明・志忠兄弟から受けた、励ましの言葉だった。
昨年の日本オープン。
林はガマンのゴルフを続けていた尾崎直道に1打差まで迫るも、最終ホールでボギー。チャンスを逃した。
今年5月のフジサンケイクラシック。
最終日は、2位と5打差からのスタート。が、猛追してきたフィリピンのフランキー・ミノザに、首位の座を譲り渡した。
これには、さすがに堪えた。
「勝てない原因は何か…」
思い悩んだ林はとうとう、プロ入りから師事する陳兄弟に、教えを請うた。
すると、陳兄弟の口から、冒頭のせりふが返ってきたのだ。
「“運がないだけで、ショットは何も悪くないなんだから”と、陳さんに言われたことは、すごく自信になりましたね」
この日、林が、最後まで自分を信じて戦えたのは、師匠の的確なアドバイスのおかげだった。
「何度も勝てなかったけど、それもみんな、勉強だったんですね」
長打力はないが、ショットの精度で勝負するタイプ。
粘り強いゴルフでツアー後半戦、林がまだまだ大暴れしそうな予感だ。