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三井住友VISA太平洋マスターズ 2007
小田孔明「今週こそ勝つよ」
ファイナルQTの資格で参戦した今年は、トップ5入り6回。シーズン序盤に初シード入りを確実にして、現在賞金ランクは8位。トップ25人にしか権利のない最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場権も早々に手に入れて、あと欲しいのはもちろんツアー初優勝と、ほかにもうひとつある。
部門別ランキングのバーディ率で、1位になることだ。
「どの部門でも、1位を取れば自信になる」。シーズン中盤から、意識しはじめた。
日本オープンでトップに躍り出たものの、予選落ちをした翌週のブリヂストンオープンで、豪州のブレンダン・ジョーンズに一度は抜かれた。
しかし、その翌週に4位タイにつけたABCチャンピオンシップで、再び抜き返して鼻息荒い。
「僕はたとえボギーを打ってもヘコまない。その分、バーディを奪い返せばいいと思うタイプ。フェアウェーに行けば、バーディを狙う。パー5はすべて、イーグルを狙う」。
そんなプレースタイルにぴったりのNO.1獲りにも、がぜんやる気だ。
そして、そんな小田にはこの日同じ組で回ったジャンボ尾崎も目を剥いた。
「お前はどっからでもピンを狙いやがって・・・。まるでモンスターみたいだ」。
挙句、ラウンド中につけられたあだ名は“モンちゃん”。
見よう見まねでそのスイングを真似するなど、全盛期を見て育った小田にとって誰よりも憧れの人。
そんな選手から気安く声をかけられるようになった喜びをかみ締めながらプレーした初日でもあった。
この三井住友VISA太平洋マスターズには当初出場権がなかったが、先のABCチャンピオンシップで4位に入り「直近5位内」の資格で出番を引き寄せた。
「今週は“儲けもん”の大会だから。ガンガン行く」。
今年、何度も迎えた優勝のチャンスは2日目が鬼門となっていたが、「明日クリアできたら期待してください」と笑った。
本戦前日の水曜日に、「今週こそ勝つよ」と親しい人にこぼした冗談を、現実のものとできるか。