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三菱ダイヤモンドカップゴルフ 2006
すし石垣「ゴルフも真剣にやってんです!」
次の11番では「“並”のショットだったけど、パットは“特上”」。10メートルをねじこんだ。
連続バーディを奪うなど、一時は4アンダーまでスコアを伸ばしていたが、16番パー3で「しょぼいアプローチ」をした。
手前のラフから、奥のバンカーヘリに打ち込んだ。
片足だけバンカーに足を突っ込んで打つ不自然な姿勢から、寄せきれなかった。
バンカーショットを打ち終えたあと、ヘリにつまづいてコケそうになった。
その瞬間、林の中から笑い声が聞こえた。
「・・・あ、来てやがる」。
“応援団”の存在を知った。
コースから車で40分の、浦和市出身。この日は、同級生など大勢の知人が駆けつけた。
しかし、続く17番でもボギーを打って、最後まで良いところを見せきれなかった。
16番までは、得意のパフォーマンスを交えて好プレーを展開していただけに、上がりホールの躓きが悔しい。
「・・・みんなには、ハラハラさせたと思うけど、今日一番ハラハラしていたのは僕自身」とうなだれる一方で、難コースでこそ実力を発揮できるという自負もある。
「球が曲がっている、といってもものすごいラフに行ったのは今週1、2回程度。多少曲がっても、頑張って花道に戻せればパーは取れる。こういう難しいセッティングは僕向き・・・かな?!」。
2週前、新しく契約を結んだバーバリーのパンツもやはり、これまで同様に半端丈に詰めている。
その太もものあたりには今季、契約を結んだシャフトメーカーのロゴ。
くるぶしの部分からのぞく靴下には、知り合いの飲食店の名前入り。
チャンスやパーを拾ったときに、少々おおげさにも見えるパフォーマンスも計算ずくだ。
「・・・プロは、コースでいかにスポンサーを宣伝できるか、というのも大事ですからね!」。
もちろん、それ以上大切なのは、結果を残すこと。
「・・・こう見えて、ゴルフも真剣にやってんですよ!」。
生徒会長や、野球部キャプテンもつとめた大谷口中学校時代のあだ名は、本名の聡志を取って「さとちゃん」。
青春時代をすごした地元で、今度は「すし」の名をとどろかせる。