記事
〜全英への道〜 ミズノオープン 2001
「勝ってイギリス!!」
ここ瀬戸内海GCのコースレコードは、98年大会初日、井上久雄がマークした64だった。
この日2日目、これを3打も上回る仰天の61で上がってきたのが、ミャンマー出身のゾー・モウ。
しかも、18ホールでの11アンダーは、ツアータイ記録。また、この日奪った“12バーディ”は、ツアー新記録となる。
しかし本人は、「記録がいくつかなんて、知らなかったし、何にも考えず、ただプレーしてきただけなんですよ」と、涼しい顔だ。
快進撃は、インスタートの11番、パー5から始まった。
ピンまで2メートルのバーディパットを沈めると、12、13番は、いずれもピン横30センチにピタリとつけて、3連続。
さらに圧巻は、18番から折り返しの4番までの5連続バーディだ。
あっという間にスコアボードを駆け上がり、
「さすがにちょっと緊張してきたけど、前のホールで取ったバーディのこと忘れて、1ホール1ホール、新たな気持ちで挑んだのが良かったかな」3位タイフィニッシュに、大喜びだ。
昨年は、96年以来のシード落ち。
シーズン前半に左腕と、腰を痛めたのが原因だった。
年末のファイナルQTで24位に入り出場権を確保すると、オフは、故郷に帰ってじっくり休養。おかげで、「今は、とっても調子がいいよ」と話す。
これまで、ミャンマー出身のゴルファーが、全英オープンに出場を果たしたのは、チィ・ラ・ハン(2000年大会、予選落ち)選手だけ。
その2人目の“チャレンジャー”として名乗りを挙げたモウは、
「もちろん、勝ってイギリスに行きたい。残り2日、ベストを尽くします」と目を光らせる。
※ ミャンマーの“ゴルフ事情”
東南アジアに位置するミャンマー。
これまでは、サッカーが一番人気のスポーツだったが、タイガー・ウッズの影響で、ゴルフ熱も高まりつつある。
モウによると、かの国にも独自のゴルフツアーがあり、年間10試合程度が開催されるという。
1試合の優勝賞金は、USドルで約4000$。中流家庭の1ヶ月の収入が、約80$前後ということだから、まずまずの高額賞金といえよう。ちなみに、昨年の賞金王は、約1万8000$を稼いでいるそうだ。
プロゴルファー人口は約50人。その中でもトップクラスは、「たぶん僕、かな・・・(笑)」と、モウ。