記事
日本オープンゴルフ選手権競技 2005
林根基「リベンジなんて、考えないよ」
「噂で聞いて、いったいどんなところなんだろうって。想像どおり、ほんとうに美しいコースで感激してます」。
しかし、そのたたずまいとは裏腹に、どれほど手ごわいコースかということも、練習ラウンドのうちに分かっていた。
「フェアウェーキープは絶対条件」。
密集した粘っこいラフに入れたら、まずボギーを覚悟しているから、この日4番パー4で左の深いラフに入れても慌てなかった。諦めて、ひとまず出してボギーでおさめた。
面積が小さく、傾斜のある砲台グリーンは、「奥に外したら絶対にダメ」。
徹底的に手前から攻めることで、ピンチもうまく切り抜けた。
いま、ドライバーショットに不安があるが、絶妙のアプローチが救ってくれた。
16番で、8メートルの長いバーディパットも決まって首位と1打差の3アンダー2位タイ発進。
2000年の今大会で、最終日に68をマークして追い上げながら、1打及ばず尾崎直道に勝利を譲った悔しい思い出があるが、あのときリベンジ・・・などとは間違っても考えない。
「日本一を決める大会だけど、勝ちたいと思うほどに余計なプレッシャーがかかるだけだから。明日からも、いつもどおりね」。
タイトルの重さは、勝ってから初めて噛み締めればいいと思っている。