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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2005

井上信(まこと)「ここに来れば、良いゴルフができる気がする」

ホールアウトするなり、練習仲間の矢野東に「オマエなんだよ、そのゴルフ」と、皮肉を言われた。矢野いわく、「練習ラウンドを見る限り、マコは65も出るゴルフをしていなかった」。
特に、ティショットが右へ左へ。
「フェアウェーに行かなくて、メタメタだった」(井上)。

それが、本戦に入るなりこのスコア。
「今までにないくらい、ピンについた」。奪ったバーディは、OK距離も含めてすべて1メートル以内だ。

今週のキャディから、「トップの切り替えしが早い」と指摘された。
気をつけて、本戦から余裕を持たせてスイングしていることも好スコアの要因だが、それだけではない。

今週の会場の袖ヶ浦カンツリークラブは1年間の研修生時代を含め、デビューから7年間世話になっているコースだ。
出場資格がないころは日曜日以外のほぼ毎日を、ゴルフ場で過ごしてラウンドや練習に明け暮れていた。
プライベートでも63とか64をこれまで何度もマークして慣れ親しんできたコースは、距離やグリーンの傾斜を記すヤーデージメモを持たずとも回れる。

「どこにどんな危険があるかとか、この風の向きなら、どこに打てば安全か、とか」。
隅々まで知り尽くしているから、状況判断も瞬時にできる。
「ここに来れば、良いゴルフが出来る気がする」と胸を張る。

コースのスタッフだけでなく、ボランティアで働く人の中にも昔なじみの人たちがいて、ロープの外から声援を送ってくれる。

特にこの日2日目は、井上がひとつスコアを重ねるごとに、応援の声も大きくなっていった。
昨年、次週のABCチャンピオンシップでマンデートーナメントから本戦出場を果たして初優勝。
初シード入りを果たし、ツアーでの経験を重ねてきたこの1年間の成長のあとを、恩人の前で惜しみなく披露することができた。
  • 井上のプレーを応援する袖ヶ浦のハウスキャディさんたち。バーディを取るたびに大きな声援で盛り上げてくれた

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