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東建ホームメイトカップ 2007

ジャンボ尾崎「勝負事を“楽しむ”なんて、俺らしくもない」

昨年12月に腰の手術をしたばかり。まだまだ、本調子ではない。万全の体勢とはいえない。無理はできない。

分かっていても、いざ戦いの場に出たら、血が騒ぐ。
スタートの1番、2番で連続ボギー。そこから、通算5アンダーまで盛り返した。
「今の状態ならば、これでヨシしないといけないのにね・・・」。

硬く速いグリーンに長いクラブで止めるのは、今のジャンボにはなおさら容易なことではない。
それでも、ホールアウトするなり、反省ばかりが口をついて出た。
「ここで欲かいちゃいけない、とは思ってもつい・・・」と、苦笑した。

実際に、開幕直前にノートにメモした。
「いまは、ゴルフができる楽しみを味わおう」。
自分に言い聞かせたつもりだった。
「・・・でもダメだった。勝負事を“楽しむ”なんて、そんなの俺らしくないから」。

60歳が、度重なるピンチをしのぎ、厳しい表情をして、全身全霊でコースに対峙する姿。
この日も、大勢ついたギャラリーから惜しみない拍手と歓声を受けた。
「半分、同情もあるんだろう(苦笑)。それでも、応援してもらって有難い」。
地元ファンの声援にも後押しされて、通算5アンダーは5位タイでの決勝ラウンド進出。
前人未到の還暦Vを射程に入れた。

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