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谷口拓也「決勝で、プレーしなければつまらない」

モトローラ・インターナショナル初日に5オーバーを打った谷口は、やはり4オーバーと大きく出遅れた市原建彦と約束していた。
「週末は、隣のコースで一緒に練習しよう」。

一度は諦めた予選通過。
出だしの1番で、ほんとうに完全に、道は絶たれたと思った。
フェアウェー左に沿って、美しい浜辺が広がるパー4でOB。ティショットで「チョロ」を打った。ボールは、真っ白い砂浜に向かって一直線。わずか50ヤード先の林に消えた。

呆然と立ち尽くす。
「ああ、これで本当に終わりだ、と・・・」。
しかし、同時に心の底から湧き上がってきたのは、それとはまったく逆の気持ち。

「このまま、何も持たずに日本に帰るなんて絶対にイヤだ」。
そんな強い執念が、そのあとの6バーディにつながったのは言うまでもない。

このホールで、3メートルのボギーパットを沈めたことが大きかった。
さらに、次の2番で10メートルのチャンスをねじこんだ。
途中でアドレス時のボール位置を、左寄りに修正したことも奏効した。

カットラインのイーブンパーで迎えた最終18番。
真横5メートルのバーディパットは大いに痺れながら打った。
惜しくも外したが、パーに収めて念願の予選通過を果たした。

スタート前は、「どうせ無理」と口では言いながらも、本心は「週末にプレーしなければ、つまらない」。
ひとたびコースに出れば、プロとしての本能がほとばしる。
「明日も、伸ばしてみせますよ」とこともなげに、決勝ラウンドこそ持ち前の爆発力で急上昇といきたい。


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