記事

〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2007

ドンファン「10年後には4連覇」

大会主催のミズノ㈱の水野明人・代表取締役社長(左)と、水野正人・代表取締役会長(右)から祝福を受けて・・・
20歳の胸が、期待で膨らむ。このミズノオープンよみうりクラシック最上位者の資格で赴く全英オープン。まずなんといっても楽しみなのは、母国・韓国の英雄と再会できることだ。

米ツアー5勝。現在、世界ランク19位のK・J・チョイ。

いつか彼のように、米ツアーで活躍する選手になる。それが目標。
「まずチョイさんを抜かないとそこへいけないから。一番の憧れです」と、ドンファンは言う。

高校生のとき見に行った韓国ツアーで、握手をしてもらうのが精一杯だった。
その人と、いよいよ来月には同じ舞台に立てる。
会場のカーヌスティでは、きっと一緒に練習ラウンドもできるだろう。

韓国の高麗大学に通う2年生は「今からとっても楽しみです」と、無邪気に笑う。

それと、やっぱりタイガー・ウッズだ。
特に、昨年の全英オープンは印象深い。
父・アールさんを亡くした悲しみを乗り越えて、連覇を達成したシーン。
「つらい中でもしっかりと優勝したウッズの気持ちの強さ」には、目を見張るものがあった。

それにひきかえ自分ときたら・・・。
「ミスしたら怒りが抑えきれない。すぐに集中力を失って、マインドコントロールが足りてない」。
そう反省を口にするドンファンにとって、間近に見る世界ナンバー1プレーヤーは何よりのお手本となるだろう。

今年は、そのウッズに史上51年ぶりとなる3連覇の記録がかかる。
「達成したら、本当に凄い。僕は、ウッズに優勝してほしい」と、まるでいちファンのようなことを言ってはしゃぐ。
「でも僕の目標は、とりあえず予選通過だけれど」と笑いながら、最後にこう締めくくった。
「10年後に、今度は僕が4連覇をしたい」と。

ドンファン
本名は、リー・ドンファン。2004年の日本アマで伊藤涼太を破って史上最年少で優勝。一昨年のファイナルQTでランク58位につけたのを機に、日本でのプロデビューを決めた。その際、「みなさんに親しんでもらえるように」と登録名を“ドンファン”と短くした。伝説上の人物に例えて“プレイボーイ”といった意味もあるそれは非常にインパクトがあったのに加え、人懐こい性格と、あっという間に上達した日本語で、一躍ツアーの人気者に。しかし素顔はその選手名には程遠く、母国韓国・高麗大2年生の、真面目で実直な現役学生でもある。
昨年のチャレンジトーナメント『PGA・JGTOチャレジⅡ』で最年少優勝を飾り、ルーキーイヤーの昨年は、これまた史上最年少で初シード入りを果たして最優秀新人賞にも輝いた。
身長178センチ、体重75キロ。大リーグの松坂大輔選手によく間違われるそうで、実際に街中でサインを求められたことも。

  • R&A大会実行委員のナイジェル・ワット氏(右)と、キース・アンドリュース氏(左)がはるばる届けてくださったクラレットジャグを挟んで
  • この日最終日は6番で1メートルのバーディを奪い、さらに2位以下を突き放したのもつかのま、直後に中断のサイレンが・・・そのまま中止が決定した。

関連記事