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富田雅哉「明日は8アンダーくらい出して」

ホールアウトするなり、悔しがった。アジアンツアーのモトローラ・インターナショナル3日目。

後半の7番でアプローチをピンに当てるスーパーショットでOKバーディ。その時点で、通算7アンダーまで伸ばしていた。

首位とは2打差。
それだけに、最終9番のダブルボギーが痛い。

ティショットを左に曲げた。深いラフに沈んだボールは、どこを探しても見当たらなかった。
ロストボールで通算5アンダー。

アウトコースは、ほとんどスコアボードがない。
だから、自分の位置が分からなかった。
「自分がこんなに伸ばしているのだから。首位は、14(アンダー)くらいは行ってると思っていた。7番のバーディで『やっと7打差くらいか〜』なんて。実は、上も見えていたのにね。・・・最後は、ピッチングで打てば良かったかも」と、苦笑い。

しかし、状況が分かっていたらまた逆に「どうなっていたか分からない」という気持ちもある。
そう思って、悔しさはひとまず堪え「淡々とやれたのが良かったんだ」と、自分に言い聞かせて最終日につなげるしかない。

前日2日目は、少し気合が入りすぎていた。
その上、気温は優に30度を超えて「体が思った以上に回りすぎていた」。

気持ちと体のバランスが取れず、空回りした。
思うようにチャンスが作れず、我慢を強いられるラウンドだった。
それだけに、体力の消耗も激しく疲れは足に来た。
スコアが伸ばせず、パープレーにとどまった。

前日の反省をもとに、この日3日目は省エネゴルフを心がけた。
「やる気なさそ〜なスイングをして、ようやく8割くらい。それくらいがちょうど良いのだ、と。2日目のゴルフが、今日のスコアにつながったと思う」。
経験は、必ず次の糧にする。

「明日はとりあえず1打1打に集中して・・・」と、思案顔の富田。
「8アンダーくらい出せば優勝できるかな?」。
おどけた口調の中に、闘志をにじませた。

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