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マイナビABCチャンピオンシップ 2008
井上信「やっぱり負けました」
「せめて遼くんに、飛距離で負けちゃいけない、と・・・」。
しかし「やっぱり負けました」と、苦笑した。
もともと球が低い井上は、アゲンストのホールならかろうじて石川と互角に戦えるがフォローになると飛ばし屋の17歳に太刀打ちできない。
「常に15ヤードは、置いていかれた」。
その上、15番でまさかの4パット。
「左スライスは、下り傾斜の分を忘れて強く打ってしまった」。
マスターズにも匹敵するとも言われる高速グリーンに、あっという間にカップを行きすぎた。
一瞬、青ざめたが「ここは冷静にいかないと」。
すぐに気持ちを切り替え、18番で残り108ヤードの第3打をアプローチサンドでOK距離に。
「そのあとも、アイアンがピンに付きだして、4つ伸ばせて良かった」と胸をなで下ろした。
やはり好スタートを切った同組の深堀、石川に「つられました」と、ペアリングに恵まれたことを喜んだ。
2004年の今大会で、マンデートーナメントを突破してツアー初優勝。
しかしそのあと、思い出の舞台での結果は散々で「予選通過は一昨年の1回だけ」だ。
自信を失いかけていたが、今年は「オリンピックイヤーだからね」と自ら言って笑うとおり、4年に一度の当たり年は、3週前のキヤノンオープンで4年ぶりのツアー通算2勝目をあげて、好調の波に乗っている。
呑み仲間の矢野東が禁酒を始めた途端、絶好調なのを見習って井上も酒を断っている。
「体調も良いし、ウェストも痩せたんですよ、ホラ!」。
腰回りを自慢げに、ぐるりと撫でた。
「・・・でも、明日も遼くんには勝てそうにない」とうなだれた。
さっそく「このオフのトレーニング量を増やすことに決めた」という井上。
飛距離の勝負はひとまず忘れ、2日目もスコアで17歳を凌駕する。